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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年8月28日出題)

第63問(2006年8月27日:窪田五段-丸山NHK杯選手権者戦)
(問63-1)
先手窪田五段の藤井システムに対し、丸山NHK杯選手権者は、細かく動いた後、左美濃に構えた。それに対し、角交換から▲9七角を打ち、先手が積極的に動き、これに後手が反撃するという形で、難解な中盤戦が続いた。今、△3四歩とキズを消した手に対し、▲5四歩と味を付けたところ。実戦は、△2三銀打と丸山NHK杯選手権者らしい受けを放ったかと思われたが、先手からの強烈なさばきを喰らい、いっぺんに勝負形にさせられてしまった。
ここでは、感想戦でも出た普通の受けの手を。”普通”と言ってはやさし過ぎるが、先手からの狙いをきちんと読んで受けて欲しい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問63-2)
先手の猛攻が決まり、僅かに一手勝ちになりそうなところ。しかし、後手も△5六角と詰めろではないものの、駒が入れば詰むという攻防の一手を放つ。駒を渡さずに一手すきが続けば攻めても勝ちだが、それはかなり危険だ。ということで、ここでのしっかりとした受けは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問63-1解答)「垂らしの歩には歩で受ける」
六枚落ちなどで出てくる受けの最も基本的な形だ。このように受けるのは利かされと見て、本譜は△2三銀打とこちらを補強したのだが、▲5三歩成△同金▲6五桂と攻め、以下△8六飛▲5三桂不成△8七飛成▲4一桂成と先手は二枚の金をはがし、後手玉への食い付きに成功した。


(問63-2解答)「駒を使わずに外堀で受ける」
後手玉への攻めに大駒がない為、金銀を使って受けるのは切れてしまうおそれがあるし、やはり△3八角成からのとん死筋を気にしなければならない。そこで、ここでは窪田五段の指した▲6七歩が固い受け。普通に考えると飛車先に歩を打つのは重いが、この飛車は既に6四で止まっているので、受けだけに利けば良い。実戦は以下△8四角に▲4五歩と突き、玉頭に襲いかかった先手が、頑強な受けを突破し、受けなしに追い込んだ。

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