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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年12月25日出題)

第80問(2006年12月24日:石川六段-南九段戦)
(問80-1)
先手石川六段の石田流に対し、棒金模様に駒組を進めた南九段だったが、相手の状況に応じて駒を組み替えた。そして中盤の難しい折衝から大駒交換が行われ、今△4四歩と角成を防いだところ。
ここでは次に△5四歩や△5四銀右など角を追う手も見えるが、解説でも言っていたように△5八歩という攻めがうるさい。ここで石川六段の指した受けの一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問80-2)
形勢が揺れ動いた中盤から徐々に後手の南九段が駒得を果たし、ここでは飛車と金銀二枚の交換で少し後手の良さそうな局面。しかし、次に単純に▲7二歩成を喰らって、二枚飛車が威力を発揮する展開になると逆転する。ここで南九段の指した味の良い攻防の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問80-1解答)「飛車を遮る下段の歩」
△5八歩が厳しい、と言うことで受けの一手は当然の▲5九歩。飛車に対して下段に歩を打って利きを止める手筋は受けの基本形だ。
この手に対し南九段は、一本△5八歩▲同歩と利かせておいてから△5四銀右と角を追い、▲9一角成△6六飛成から長い終盤戦に入った。


(問80-2解答)「歩成りを間接的に受ける角」
ここでは△5五角が攻防の味良い一着。▲7二歩成は△8二角と龍を取られてしまうし、▲5六歩と追いたいが、△6六角と出られると金取りの後手になってしまい、しかも受けづらい。石川六段は仕方なく▲8一龍と一旦入ったが、△1六歩の取り込みが利き、▲1八歩に△4五歩と角を最大限に使い、南九段優勢のまま最終盤へと入った。
実戦はこの後石川六段も下段に金を打って粘ったが、4筋に駒を足され、駒損しながら受ける展開になり凌ぎきれなかった。

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