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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年4月2日出題)

第92問(2007年4月1日:高橋九段-佐藤(天)四段戦)
(問92-1)
先手高橋九段の▲7六歩に△8四歩と突いたため、ガップリ四つの矢倉戦になった。その後、先手の攻め後手の受けという展開から△7四歩に今▲4六角とのぞいたところ。部分的に角成りは受けづらいので△7五歩と銀を取って勝負するのが普通だが、その前に指しておきたい手筋がある。ここで佐藤四段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問92-2)
先手の攻めを一旦凌ぎ、反撃に出た後手だが、先手も容易に腰を割らず、中盤から終盤とねじり合いが続いている。今△5六歩と垂らし△5七銀の打ち込みを見たところ。ここで高橋九段の指した受けの一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問92-1解答)「将来に備えて歩を切っておく」
ここで佐藤四段は△5五歩と突いた。こういう場合の手筋で△同歩は桂取りでなくなるので問題外。▲同角と取られても、歩が切れる為、将来(飛車を打たれた時)△5一歩と受けたり、場合によっては△5七歩と垂らす味もあり損のない手。高橋九段はそれを損と見て、▲7四銀と出、△7二歩から、難解な中盤戦が続いた。



(問92-2解答)「歩には歩(の応用)」
ここで高橋九段は▲5九香と受けた。この手は極めて自然な一手。歩を垂らされた時、成られるのを防いだり、打ち込みを防ぐ為に歩を受けるのは受けの基本だ。今回の場合も本当は▲5八歩と受けたいが、二歩で打てない。という訳で、次に安い駒である香で受けるのが自然。
この後、すぐに攻められない為、△2一玉から銀を取りに行き、その間先手もと金を作ったが、やや強引な(後手の)攻めを完全に受け切れず、最後は働いていなかった二枚飛車が使えピッタリ即詰み、初出場、初勝利をあげた。

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