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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年5月21日出題)

第99問(2007年5月20日:飯塚六段-山崎七段戦)
(問99-1)
先手飯塚六段の居飛車穴熊に対し、三間飛車から四間に振り直し、穴熊に囲った山崎七段。居飛車穴熊の一瞬のスキをついて攻勢に出たが、巧みな反撃にあい、銀が遊ぶ形になった。しかし、その後双方熱の入った攻防が続き、形勢不明に。さらに、後手の桂が幸便に△8五へ跳ね、逆転し後手が良くなったと思った下図。今、△7八歩と垂らし、次にと金作りを図ったところ。ここでと金を作られるのはかなり痛いし、かと言って歩を取るのは金銀の連絡が崩れ、先手先手で攻められることになりそうだ。という訳で、先手が大変かと思えたこの局面。飯塚六段はどのような手段でこの場を凌いだか?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問99-2)
上図から4手後。今、飛車を銀取りに打たれたところ。単純に銀を取られてはいけないので受ける一手だが、ここではどのように受けるのが正しい受けか?有段者なら誰でもこう指すと言っても良い当然の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問99-1解答)「絶対にと金を作らせない受け」
ここで飯塚六段は▲6八銀と打って歩成りを受けた。単純な受けではあるが、銀そのものが浮いているので打ちづらいし、ちょっと気づきにくい。
そしてこの後実戦は△7九歩成▲同銀となり、上の第2問△4九飛へと続いた。



(問99-2解答)「大駒は近づけて受けよ」
ここは▲5九歩が受けの手筋で、いわゆる「大駒は近づけて受けよ」の格言そのものでもある。このまま歩を取られなければ一歩で飛車の横利きを消していることになるし、△同飛成(本譜)と取れば、▲6八角(銀を持っていれば▲6八銀打)と先手で受けられることになる。
本譜は、(▲6八角と受ける手もあったが)▲4六角と攻防の角を放ち、一旦悪くなったと思われた局面を押し戻した。
実戦はその後、さらに難解な終盤戦が続き、どちらが勝っているのか分からないような戦いが続いたが、最後に二手スキで端を取り込んだ手が厳しく、先手の飯塚六段がこの戦いを制することになった。


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