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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年8月13日出題)

第111問(2007年8月12日:中原永世十段-平藤六段戦)
(問111-1)
後手の平藤六段が9筋を突き越して向かい飛車に振るという趣向を見せたのに対し、中原永世十段は、その端から手を付けて戦いが始まった。その後、やや強引とも思える攻めを細かくつなぎ、今▲9三桂成と玉頭に成桂を作ったところ。後手としてはまだ先手玉に詰めろがかからないため、しばらく受けざるを得ないが、ここではどのように一手スキを解除したら良いか。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問111-2)
最終盤、▲3一銀が厳しくすでに先手の勝ちになっているところだが、今△4五桂とつないで桂で王手されたところ。このような歩の頭に駒をつないで王手する手は時々出てくるが、このような場合に、基本的にはどうするのが良いか。単純に考えて、中原永世十段の指した手を当ててもらいたい。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問111-1解答)「玉の早逃げ八手の得」
何度もこの受けの手筋で出てきている玉の早逃げがここでも有効。9一玉のまま△9二歩とか受けても▲8三銀で受けになっていない。本譜は、これでも▲8三銀に、さらに△7一玉▲4五桂△6二玉と連続で早逃げを果たし、やや難しくなった。感想では、早めに▲7一金と縛っておいた方が良かったらしい。



(問111-2解答)「一旦は駒を取ってから逃げる」
歩頭に駒をつないで打たれた場合、ほとんどの局面では一旦取った後、逃げる方が良い。これは単純に(単に逃げた時より)駒得になると言うことだが、この局面のように、空間(3三の地点)が開くという効果もある(局面によっては逃げ道が開くこともあるので注意)。
本譜は、この後、先手に詰めろが続かなくなり、やむなく2二の飛車を3二へ逃げたが、必死をかけられて受けがなくなった。


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