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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年3月17日出題)

第141問(2008年3月16日:佐藤NHK杯選手権者-鈴木八段戦)
(問141-1)
先手佐藤NHK杯の居飛車に、後手の鈴木八段は角交換向かい飛車で応戦した。お互い模様の取り方の難しい中盤戦から先手が3三の桂頭に狙いを定め、しだいに急な展開に。そして、後手は飛車を取らせている間に、先手玉に迫ったが、先手も今▲3二飛と金取りに打ちおろし、後手の応手を聞いたところ。もちろんタダで5二の金を取られてはいけないが、△6二金寄と5二の金を動かすのは、4三にも角が成れるが、それ以上に▲7五桂が厳しい。ここではどのように受けるのが良いか。鈴木八段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問141-2)
双方に決勝戦らしい渋い受けの好手、鋭い攻めが交錯し、難しい形勢が続いていたが、駒得した先手が少しずつ有利になっていった。そして今▲3九飛に△6八角成と成り込んだところ。次に△7七成桂と取れれば駒損を少しでも回復しながら先手玉に迫ることが出来るが、ここでは先手の手番。現時点は金二枚と桂の交換で大幅に先手の駒得で、この駒得を生かした先手の受けの一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問141-1解答)「金は引く手に好手あり」
ここでは△6一銀打と本来は一枚投入して受けたいのだが、手駒を使ってしまうと、攻めが細くなってしまう。そこで、鈴木八段は△6二金引と金を引いて受けた。
この将棋、△6六桂に対しても▲7九金と引いて受けたように、金を引く手には格言にもあるように好手になることが多い。
この局面、感想戦ではお互い自信のある局面だったようだ。


(問141-2解答)「得した金駒を投入して受ける」
ここで佐藤NHK杯は▲7八金打と一枚投入して受けた。すでに駒を得しているので、本譜のように△7八成桂▲同金上となった局面でも、まだ先手の金得が残っている。
このように大きな駒得をしている時は、盤上に相手の成駒を残さない方が分かりやすい。
本譜は、この後馬も切って△6六桂と食いついたが、さらに▲8九銀と駒を投入。相手の打ち疲れを待って攻撃を開始、最後はきれいな即詰みに討ち取り、佐藤NHK杯が優勝、2連覇を達成した。


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