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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年4月7日出題)

第143問(2008年4月6日:堀口七段-村田四段戦)
(問143-1)
新年度最初の対局は千日手となった。本局は、その指し直し局で、先手堀口七段の居飛車に、後手の村田四段はゴキゲン中飛車。
中盤では、振り飛車側がうまくさばけたかと思われたが、そこからの居飛車のふところが深かった。そして今、▲5五馬と引かれないように△6四銀と先に受けたところだが、銀を一枚使った為攻めが細くなってしまった。ここで指された先手堀口七段の次の一手は?この一手を境に先手がさらにリードを広げたようだ。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問143-2)
今△5八金と入った所で、次に△6九角を見ている。とは言え、すぐに詰む訳でもないので攻める手もないことはないが、駒を渡すと逆転の味も残っている。さらにここではピッタリした受けの一手がある。美濃囲いで桂が跳ねている時にも出てくるその受けの一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問143-1解答)「馬は自陣に」
ここで堀口七段の指した▲2四馬がちょっと気づきにくい好手だった。この手は飛車取りではあるが、すぐに取ると言うより4七金の動きを牽制している手だ。△5七金なら▲4六馬と取り、△6八金なら▲同馬で盤石だ。
本譜は一旦△4五飛▲5四馬の交換を入れてから△5七金と飛車を取ったが、結局馬を自陣に引きつけられ強固にされてしまった。



(問143-2解答)「玉下の金定跡なり」
「桂頭の銀定跡なり」という格言はあるが、実際には「玉下の金定跡なり」という言葉はない。しかし、そんな言葉がピッタリするような受けの手筋、形であり、有段者は皆知っている。美濃囲いで、2八に玉がいる時にも時々▲2九金という受けが生じることもあり、こうした局面では有力な受けの形。
本譜は、これで先手玉に迫る手順がなく、以下△5一歩と受けたものの、▲1二飛と足され数手後には後手玉に必死がかかった。

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