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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年5月26日出題)

第150問(2008年5月25日:橋本七段-畠山(鎮)七段戦)
(問150-1)
先手橋本七段の▲7六歩に後手の畠山七段が△8四歩とした為、ガップリ四つの相矢倉となった。そして、中盤までは定跡形のまま進み、双方が攻撃態勢を整え、攻め合いに進んだ。
下の局面は、後手の攻めを先手が受けているところで、今▲8三の歩を△同飛と払ったところ。次に△6六角▲同金△8七銀があるので何か受けなければならないが、ここで指された先手橋本七段の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問150-2)
後手の攻めを凌ぎ、▲6一角が入ってははっきり先手が残した感じだが、今△3四歩に▲4六角と銀取りに角を引いたところ。飛車取りは残っている上、6四の銀取りにもなり後手は収集困難に見えたが、ここで最後の勝負手を放った。その畠山七段の一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問150-1解答)「相手の攻めをせかす受け」
ここで橋本七段は▲8五歩と角頭に歩を打ち角切りをせかした。8七の地点を受けるだけなら▲7八銀のような手でも受かるが、そうすると角を切ってはくれず少しためた手で来ることになる。実戦は△6六角▲同金△8五飛▲7八銀と進み、まだまだ難しいものの後手の攻めを一旦は受け止めることに成功した。



(問150-2解答)「終盤に現れる狙いを持った奇手」
飛車と銀、二つの取りが残り、これを受けるだけなら△6三飛だが、▲5二角成であまり受けになっていない。その後手が窮したと思われたところで△5五銀が飛び出した。これに▲同歩なら△6三飛と角取りに回り、角が逃げれば△7七桂左成(又は△7七銀)から△6六飛と金を抜いて形勢不明にもつれそうだ(それでも▲1三角成から△6六飛を飛車で抜き返す手がある)。
もっとも実戦は▲5五同角と取った手が冷静な好手で、以下△同歩に▲8三角成と飛車を取り先手が勝勢、勝負を決めた。


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