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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年6月16日出題)

第153問(2008年6月15日:泉七段-行方八段戦)
(問153-1)
先手泉七段の▲7六歩に△8四歩から矢倉模様に進んだ本局は、先手が早めに▲3七銀から▲4六銀〜▲6六銀としてカニカニ銀へと進めた。
そして中盤の小競り合いから力強い応酬で有利に進めた先手に対し、今△4四金と辛抱強く受けに回り、次に△5四金▲同歩△4六角を見たところ。ここで先手の指した次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問153-2)
難しい終盤戦が続き、少しずつ先手が残しているのかと思われたが、▲6一飛とあまり働きのない場所に打ってしまった為形勢を損ねた。下図は王手なので何か受ける一手だが、このような場面ではほぼ二者択一。
ここで後手行方八段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問153-1解答)「ソッポへ成る例外的な手」
ここで先手の泉七段は▲6三銀成とソッポへ成っていった。この5四の銀は、実際には△5四金と取られても▲5一飛から取り返せるので4六銀をタダで取られることにはならないが、やはり壁角の状態で金銀二枚持たれるのは危険だ。また、普通は▲6一飛から▲6三飛成と飛車で成るのが普通なので、銀がこちらへ行くのはソッポで筋が悪い。
但し、時には筋の悪い手が好手になることもあり、この局面もなかなか渋い一手で感心した。以下△3八歩に▲5七銀と微差で先手が逃げ切れそうな形勢が続いた。



(問153-2解答)「底歩か入場か」
矢倉で3一(7九)に玉がいる時に良く出てくる局面であるが、このような所で王手された時にはどうすべきか。歩が利く場合は△4一歩も固いが入場した方が良い場合も多い。
これはその局面ごとに考えるしかなく、その後の攻めがあるかどうか、一手スキが来るかどうかと言ったことを考えて選択する。
本譜は2八に飛車がいるため、△2二玉には▲2四歩がうるさい。そこで行方八段は△4一歩と一段目の歩合いで受けた。この手が固く、お互い角を取り合った後の後手の一手スキが厳しく、最後は王手で後手玉を追い回したが捕まえ切れなかった。


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