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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年11月16日出題)

第224問(2009年11月15日山崎七段-木村八段戦)
(問224-1)
先手山崎七段、後手木村八段で戦型は横歩取り△8五飛戦法。本局はその本家が指す山崎流へと進んだ。下図は桂損ながらも▲5五角と飛び出したところ。金取りなので、この金を受けるしかないが、このような場面ではどのように受けるのが普通か。木村八段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問224-2)
先手は角損の強襲が成立し、優勢になった。しかしその後やや攻め急いだ感があり、下図はちょっと難しくなったところ。▲1一龍の王手に木村八段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問224-1解答)「駒得した時は堅実に受ける」
ここで△3三歩のような受けは、精算されて攻めが筋に入ってしまう。ここではじっと△4四桂ともらった桂を埋めておくのが普通で堅実な受けだ。
これで通常なら先手の攻めを受け止めていると考えられるところだが、▲4四同角から▲3三桂打が鋭い踏み込み。実戦は、この角損の攻めが成立し先手が優勢になっていった。



(問224-2解答)「相手の攻めを考えたひねった受けの手」

▲1一龍の王手に対し、△3一歩と角筋を使って歩で受けるのが普通だ。ところが、ここで木村八段は△3一桂と桂を使って受けた。ここに桂を打つのは、△3一歩では▲1三龍と引かれた時に受けづらいという場合の手。桂なら▲1三龍には△2三歩が打てると言うわけ。また、持ち駒に桂が三枚もあると言うことも桂を使うのを躊躇しない理由の一つ。

本譜はこの後、▲4三金から食い付いて一手差違いの難しい勝負になったが、感想戦で指摘された勝負手をダメと判断した木村八段が、持ち前の粘りを発揮することが出来ず後手投了となった。


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