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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年5月24日出題)

第250問(2010年5月23日有吉九段-高橋九段戦)
(問250-1)
先手有吉九段、後手高橋九段で相矢倉戦。後手の高橋九段が、△8三歩の上に銀を出て行くという趣向を見せ、角交換から攻勢を取った。
そして、△4四角と玉に狙いを付けた手に対し、先手も▲3七角(△6四の飛車取り)から▲7四歩と最強に応じ、今▲6二歩に△7一飛と回ったところ。ここで先手有吉九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問250-2)
後手が攻め続け、先手が受けきれるかどうかという局面が続き、今△6六金と露骨に金を打ち込んで来たところ。厳しい攻めで、先手が苦しい感じではあるが、ここで最も頑張る一手、有吉九段の指した一手は何か?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問250-1解答)「玉の早逃げで角筋をかわす」
何もしないで、次に△7六歩を打たれてはたまらない。ということで、有吉九段の指した一手は▲7九玉と早逃げしながら角筋をかわす手。見ている時はひと目、このように指したいと思っていたが、感想戦では(高橋九段が気にしていた)▲4六歩と突く手が検討された。△7六歩と銀損を甘受するが、▲4五歩と取り込むと(角がいなくなり)後手玉も薄い。本譜、△7六歩▲8八銀に△9六歩から一方的に攻められるよりは勝負だったのかもしれない。

(問250-2解答)「金駒をかわす受け(金は引く手に好手あり)」
通常、打ち込まれた駒を取って良いのは、攻め駒を一掃できるとかその駒で厳しい攻めがあると言った時のみ。ここでは△6六金をどちらで取っても△同歩と進まれて先手がまずい。と言ってこのまま金をタダで取られてはもっとまずいのでここは▲6八金と引く一手。もし歩が利いたり(▲6二歩がない場合)、持ち駒に金銀などがある場合は、▲6八歩とか金や銀を打って千日手狙いで粘ることもある。

本譜はこの後、後手が先手玉の上部から押しつぶすように攻め、頑強に抵抗するも攻めがつながり、ついに高橋九段は、一度も受けの手を指すことなく攻め切ることに成功した。
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