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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年6月28日出題)

第255問(2010年6月27日山崎七段-飯塚七段戦)
(問255-1)
先手山崎七段、後手飯塚七段で戦型は相掛かり戦。双方が角道を止めゆっくりした展開になり、どこから手を付けたらよいか分からない難しい戦いへと進んだ。
下図は、先手が1〜3筋を突き捨て戦闘を開始した手に対し、△5五歩から△7三角〜△8七歩と反撃。角がにらみ合ったままの状態で、▲2四歩と銀冠の急所である銀頭を叩いたところ。ここで指された後手飯塚七段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問255-2)
先手の攻めに冷静に対処し反撃を開始した後手。今△4七角と攻防の角を放ち、▲2五飛の出を防ぐと同時に△5八歩成の必死を見せたところ。金を渡さずに後手玉を寄せられれば良いが、簡単ではない。ここで指された先手山崎七段の次の一手は?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問255-1解答)「より厳しい攻めを回避」
玉頭に歩が垂れたままというのは嫌みで大きな垂れ歩だ。そこで、通常なら歩を残さないように△2四同銀と取るのが普通。しかし、この局面は、(△2四同銀には)▲3四歩と叩かれ、△同金と取ると、▲7三角成△同桂に▲4五銀左(飛車が5三の銀取りになる)と強襲される恐れがある。
▲7一角の筋もあり、歩を取るのは危険と判断して実戦は△3四銀。このように歩を残すのは多くの場合危険ではあるが、それ以上の厳しい攻めがある場合は、かわして受けることもある。


(問255-2解答)「終盤の受けは先手で」
△5八歩成と同時に△8八銀の打ち込みもあり、同時に受けるのは難しく、攻めるなら▲4一角が筋だが、駒がないため、金にかわされても困る。先手苦戦と思っているところに指された▲7七金寄の手。平凡な手では勝てないと見た受けの勝負手だ。もっとも、これでも△5八歩成で飛車は取れないので先手がまずいのではと思ったが、△5八歩成には8七の歩を取って▲8八玉と上がって凌ぐ手を見せている。
そこで実戦は、△8八銀と打ち込み、▲6八玉△5八歩成▲同飛に△7七銀不成と攻め立てた。これにも「終盤の受けは先手」で受けるという意味から▲同金と取り、最後の勝負にかけた。

本譜はその▲7七金に△8五飛と逃げてしまった為、逆転の味が出てきて、最後、逃げ間違いも手伝い、本当に先手の逆転勝ちとなった。
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