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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年8月16日出題)

第262問(2010年8月15日 三浦八段-高橋九段戦)
(問262-1)
先手三浦八段、後手高橋九段で、横歩取りの出だしから先手の三浦八段が横歩を取らず、飛車を深く引いて角交換した為に同型が続く手将棋模様へと進んだ。
そして、満を持して先手が角を打ち込み攻めを開始した。下図は一旦角交換した後、再度▲6二角と角を打ち込んだところ。ここで、指された後手高橋九段の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問262-2)
下図は△3三銀から△4四金と離れていた金銀を自陣に引きつけ、今△5八角打と反撃を開始したところ。少し、先手の方が良さそうだが、次に単純に△6七角成▲同金△同角成と二枚換えされてはあっと言う間に逆転されてしまう。ここで指された先手三浦八段の受けの一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問262-1解答)「いじめられる前に交換」
ここで高橋九段の指した一手は△6二同飛と角を取ってしまう手だった。まだ飛車取りにもなっていないので、いきなり交換するのはもったいない気もするが、何もしないで次に▲7一角成とされると飛車をいじめられてしまう。そうなる前に交換してしまい、その二枚の角で先手陣に食い付こうと実戦は▲6二同とに△4九角と打ち込んで勝負に出た。


(問262-2解答)「受けた後の相手の攻め筋を考える」
ここは金を取られてはいけないので何か受ける一手だが、▲7六銀は薄く、▲7九桂と持ち駒を使ってしまうのはもったいない。そこで金をどちらかにかわすのがもっとも普通でこの二択から考える。
▲6八金引と引くのは玉の側を固めて自然だが、△4七角成と成られると次の△3七桂成が飛車取りになって忙しい。さらにこの飛車をいじめられると入玉も心配になってくる。そこで、実戦は▲5七金と玉からは離れるがこちらへ寄って受けた。

本譜は、△6九角成とじっと成っておいて先手にプレッシャーを与え続けたが、▲4一とから▲7二龍と角を手に入れた時に寄るようにした手順がうまく、その後角を取りに行き、後手玉を寄せきることに成功した。

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