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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年4月11日出題)

第294問(2011年4月10日 遠山五段-鈴木(大)八段戦)
(問294-1)
先手遠山五段、後手鈴木八段で戦型は相振り飛車。それも▲7五歩、△3五歩と両方の角道が開いたままの相三間飛車で、力戦模様の駒組みが進んだ。
今、▲3六金と形は悪いが、3六の歩を取りながら金を上げ、▲2六歩からの桂取りを見せたところ。手が広く、どのように守るか、どのように攻めるかは難しいところだが、ここで指された後手鈴木八段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問294-2)
△7六歩に▲8五桂と逃げ、今△7七歩成とと金を作られたところ。ここで指された先手遠山五段の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問294-1解答)「壁銀を直す」
△8七角と両取りに打ちたいが、▲7四飛と出られると結局両方の駒に逃げられてしまう。そこで、その前に△7三銀と守りつつ、壁銀を解消しておくのが味良い一手。平手でも駒落ちでも、大きな戦いが始まる前に壁銀を解消しておくのは一手の価値がある場合が多い。急いで攻めたくなる気持ちも分かるが、壁銀だと反撃された時、一手も二手も自玉の寄せが早くなってしまうことに注意したい。


(問294-2解答)「手抜きで攻めるか、守って手を渡すか」
問題図から▲7三桂成と成り、△同桂▲7四歩△6五桂▲同歩△6八と▲6四桂と攻めるのも、考えられるところだが、これで攻め切れるかどうかは難しい。受けるなら▲4八飛は当然の逃げ場所で、ここしかないが、手番が後手に回り、この飛車抜きで攻めがつながるかどうかもやはり難しいところだ。
手抜いて攻めるか、守って相手に手を渡すかは常に難しい選択となるが、▲2六歩で桂の補充が利いて、▲4五角の位置も好位置な為、先手の遠山五段はじっと▲4八飛と受ける方を選んだ。

実戦は、この判断が良く、また後手鈴木八段の見落としもあり、先手優勢から勝勢に。最後は豪快な角捨てできれいに寄せた。
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