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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年6月13日出題)

第303問(2011年6月12日 阿部四段-有森七段戦)
(問303-1)
先週に続きまたしても一局目は千日手。これは二局目で先後を入れ替え、先手阿部四段、後手有森七段となっている。戦型は、変則的な矢倉模様から居玉のまま戦いが始まった。今、▲5六歩と歩を合わせ、△同歩▲同銀と進んだところ。次に▲5五歩と銀を殺されては終わってしまうので何か受ける一手だが、どのように受け、また反撃するか。ここで指された後手有森七段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問303-2)
上図、5五で駒の交換があった後、後手は△6四角と反撃。今△4六角と飛車取りに出たところだが、玉が直射している為、飛車は逃げられない。ここで先手阿部四段の指した一手は?先手は後手のどのような攻めを警戒しなければいけないか。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問303-1解答)「中盤以降の受け-歩損でも先手で反撃」
ここで実戦は△5五歩と打ち、▲同銀△同銀▲同飛△6四角と進んだ。本来、△5五歩のような手は序盤で打ってはいけない。と言うのも、▲同銀と取られると一歩損してしまうからだ。しかし、すでにこの局面のように駒交換が行われていたり、仮に一歩損してもこの後激しい戦闘に入るなら、一歩損くらいは関係なくなる可能性が高い。


(問303-2解答)「角の直射を避ける早逃げ」
後手が次に△5七角成と飛車を取ってくれるなら、玉を移動させることもないが、このまま何もしないと△5六歩と打たれて歩で飛車を取られてしまう。そこで▲8八玉が逃げながら飛車の取らせを強要した手で(飛車を取らないと▲4七飛と逆に銀を取ってしまう)、味の良い一手となっている。

本譜は一回△7七歩▲同桂の交換を入れたが、結局△5七角成と飛車を取るよりなく、▲同金が銀に当たり、後手の苦しい局面が続いた。そして先手が▲8五角から攻め入ると、最後は見落としもありほどなく後手の投了となった。
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