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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年12月5日出題)

第327問(2011年12月4日 松尾七段-北島六段戦)
(問327-1)
先手松尾七段、後手北島六段で戦型は矢倉中飛車。銀交換後、先手が角交換を挑み、急に激しい終盤戦へ突入した。下図は、△6五桂と跳ねた手に対し、手抜きで▲7四桂と反撃したところ。攻め合いは、▲6二桂成が猛烈に厳しいため、後手の手負け。という訳でこの金を取られるわけにはいかないが、ここで指された後手北島六段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問327-2)
最終盤、常に、自玉が詰むかどうか、相手の玉が詰めろかどうかを読まなければいけない局面になっているが、今△3九飛と王手されたところ。この王手をどのように受けるべきか。先手松尾七段の指した一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問327-1解答)「金駒は玉の近くへ逃げるのが基本」
6二金の逃げ場所としては、金の動ける地点すべてにあるので6ヶ所だ。しかし、多くの場合、将棋では、金や銀など金駒は玉の周辺にいた方が良い。なので、逃げる場合も、玉方面へ動くのが基本。
但し、将棋は常に回りの状況によって変わるので、たとえば桂を入手したい場合には、△6三金と逃げたり、△6一金と引いたり、あえて△7二金と逆にかわす方が良い場合もある。


(問327-2解答)「最も安い駒で間に合わせる」
ここでは、▲6九歩と歩の合駒をするのがほぼ絶対。もちろん、▲8八玉とか▲7八玉とか合駒をせず、逃げて詰まないなら、その方が良いが、ここでは合駒をしないと詰んでしまう。そこで、どの合駒と言うことになるが、飛車が5九で、▲6九金と打つことによって先手を取れる場合や、相手の玉がまだ固く、金銀を打つ事によって自玉を固く出来ると言った事を除けば、安い歩などの合駒で間に合わせるのが基本になる。と言うのも、この局面では(あるいは多くの局面で)相手の玉が詰むかどうかという風になっていることが多く、出来るだけ多くの手持ちの駒を持っている方が有利だからだ。

本譜はこの後、△7七桂成▲同金△7六歩と攻めたが、桂を渡してしまったため、▲4二金から後手玉は即詰みになった。検討では、△8五桂とつないでおく手が有力で、これなら先手玉は詰めろ、後手玉は桂がないため、詰まず、勝負は分からなかった。
また、感想戦の最後に、▲4二金で△2二玉の変化もやっていて、結論は出なかったが、こちらも詰みなのでとん死という訳ではなかった。なお、こちらの詰みに関しては、「今週の実戦の詰み」と「ミニ感想」でも取り上げたので、参考までに見て下さい。
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