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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年7月23日出題)

第358問(2012年7月22日 橋本八段-宮田六段戦)
(問358-1)
先手橋本八段、後手宮田六段で戦型は相矢倉。定跡最先端でガップリ組んだ後、先手の攻め後手の受けという形で戦いが始まった。下図は△2四の歩を取りながら、▲2四角と出たところ。ここで後手の指した手は?級位者の人にも三手先まで考えてもらいたい。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問358-2)
先手の攻めが決まったかと思われた局面から後手も粘り、最終盤、先手玉にも詰めろがかかる所まで来た。今△8六桂と打った所だが、ここで指された先手の次の一手は?はっきり先手勝ちにする為の決め手とは?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問358-1解答)「受ける時は、攻めを催促出来る手を」
問題の局面、部分的には▲1三歩からの端攻めが厳しい。そこで、角を追いながら端も緩和しなければならないが、△2三歩と歩で角を追うのは、引かれた後、(端を守る為)△2四銀と打つのでは、桂取りになっておらず先手に余裕を持たれてしまう。ここは実戦もそう指されたように、△2三銀と銀で角を追い、▲4六角に△2四歩と銀、歩の順に打つのが正しい。これならゆっくりした手では桂を取られてしまうので、先手も急いで攻める必要があり、ギリギリの攻防が続くことになる。

(問358-2解答)「先手で角道を止める妙手」
ここで打たれた▲7五桂が王手で角道を止める決め手だった。△8六桂は、△7八桂成▲同玉△8六桂からの詰めろだが、8四に角がいなければ詰めろにはなっていない。▲7五桂には△同歩でも詰めろが消えるし、7四の地点が開けば▲7四銀で後手玉は寄る。

本譜は、▲7五桂に△同角と角で取ったが、▲同歩と取っておいて、この後先手玉に詰めろを続けるのが難しく、以下数手で先手の勝利となった。
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