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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年8月13日出題)

第361問(2012年8月12日 阿部(健)五段-藤井九段戦)
(問361-1)
先手阿部五段、後手藤井九段で戦型は後手藤井システムに対する居飛車急戦。定跡形から大駒を交換する華々しい展開が続き、今△5三同金と4四にいた馬を消したところ。駒割りもまったくの五分で手番は先手。ここで指された先手阿部五段の次の一手は?どこが急所となるのか?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問361-2)
上図から先手の攻め、後手の受けが続き、一手前△6二角という驚愕の受けが出た。そしてその手に対し▲3四桂と打ち、次に▲4二桂成からの攻めを狙ったところ。ここで△6二角の継続手とも言うべき受けは何か?後手藤井九段の指した次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問361-1解答)「攻防になる急所の角のライン」
ここで阿部五段の指した手は▲3五角。後手からは△4四角や△2二角などこちらのラインに角を打つのが急所となるが、同じく先手からも(5三の金がいなければ)▲4四角が一つの急所。そこで後手玉と5七や6八にまで利かせる▲3五角とこのラインに角を打つのが攻防の急所になる。いわゆる先手で打てる利かし得と言うことになり、△5二金打に▲3三歩成からの攻めを継続することが出来た。

(問361-2解答)「攻め駒から遠ざけ自陣の強化」
ここで藤井九段の指した△6三金寄が何とも味の良い一着。3五の角取りなので何か受けるしかないが、▲4四銀は重くて打ちづらく(感想戦ではそれでも仕方ないと言う話になっていた)、本譜のように▲6二角成と角を交換するのは、△同金寄がまた▲4二桂成を未然にかわすことになって気持ち良い。

本譜はこの後も角を捨て飛車を素抜く華々しい展開が続き、最後は大駒を無理矢理手に入れた藤井九段が、先手玉をきれいな即詰みに討ち取った。
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