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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年2月18日出題)

第387問(2013年2月17日 屋敷九段-鈴木大介八段戦)
(問387-1)
先手屋敷九段、後手鈴木大介八段で戦型は先手の居飛車穴熊対後手の四間飛車。振り飛車側は角道を止める普通の四間飛車で、穴熊に対し△5四銀型から△4五歩、さらに銀冠に組み替えるいわゆる鈴木流。
これに先手が▲7八飛から動いた為、逆に△2四歩から後手が反撃し、難解な中盤戦へ突入した。
下図は穴熊を端から攻めて、今△9二香打と端に数を足したところ。ここで先手屋敷九段の指した一手は?不用意な一着では一気に敗勢に陥ることになる。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問387-2)
現時点での駒割りは五分。飛車もお互い使えていない。と金の価値が大きいか、それとも穴熊の固さ遠さが大きいかという比較で形勢を考えることになる。そして今、▲4四角と飛車取りに角を打ち下ろしたところ。飛車取りは当然受けなければならないが、どのように受けたら良いか。後手鈴木八段の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問387-1解答)「当たっている金をかわす受け」
左側だけを見れば、▲9五桂と打つのが普通で、これで部分的には受かっている。しかしこの局面は桂を渡すと△3六桂があり先手まずい。もちろんそうしたことを見越しての後手の端攻めなので、単純に受ける訳にはいかないということ。そこで指された一着は▲7八金。これは金を角の筋からかわしておいて、△9六香▲同銀△同香▲9七歩△同香成を▲同銀と取れるようにしたもの。浮き駒にはなるが間接的に端攻めを受け、実戦は△4六歩から第二弾の戦いに入った。

(問387-2解答)「玉飛接近という”場合”の逃げ方」
▲4四角に対し、△3三角と合わせたり、△1二飛と端に逃げるのは、もっとも多い自然な受け方。しかしこの場合は、▲3五歩と▲2五歩、この筋の歩がここまで進んでいる為、逆に当たりが強くなってしまいまずい。
そこで鈴木八段の指した一手は△7二飛。通常、玉と飛車が近いと言うのは悪形なのだが、それは飛車を攻められながら玉も攻められるということがあるから。この場合は、そうしたことがなく陣形が固くなって好手になっている。

それでも本譜は難しい形勢だった。ただ、△4六角に香車を拾わせ、△9三香打と三段ロケットにさせたのがまずかったらしく、最後は自玉への攻めを手抜きで鈴木八段が先手玉を寄せ切ることに成功した。
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