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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年6月3日出題)

第400問(2013年6月2日 行方八段-先崎八戦)
(問400-1)
先手行方八段、後手先崎八段で戦型は角換わり腰掛け銀。後手が△3五歩と玉頭の位を取った手に、先手が右金を繰り出しここを争点に戦いが始まった。
下図は先手の攻め後手の受けが続いており、今▲3五飛と飛車を走ったところ。玉が直通している為、すぐに△2三金とは出来ないが、先手の攻めをどのように受けたら良いか。後手先崎八段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問400-2)
頑強に粘られまだ寄せ切れてはいないが、▲3二とと引いた手に△5二金寄とこのと金引きも利き、先手が勝てそうな局面ではある。とは言え、駒は少なく、どのように手をつなげたらよいか難しいところ。ここで指された先手行方八段の一手は何か?羽生三冠の解説でも数手前から話されていた味の良い攻防の一着と言えばこれしかない。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問400-1解答)「”後の先”の受け」
△3四歩と上に打つのは普通だが、▲同銀成△同金▲同飛でまた受けなければならない。ここは△3二歩と下に打つのが手筋の一着。飛車に当たっていないので、先手ではないように見えるが、2三の銀取りになっているため実際は先手だ。このように後手であるように見えて実は先手になっている手、それを”後の先”と言う。
これでどのように攻めをつなげるか難しいように見えたが、行方八段は▲7一角△7二飛に▲3三飛成と強襲をかけて、つながるか切れるかギリギリの攻防が続いた。


(問400-2解答)「自陣強化+入玉阻止する攻防の桂」
ここでは▲6八桂と打つ手が非常に味の良い一着だ。本来は△2八飛とか横から打たれた時に打つのがさらに味良い一着になるのだが、この飛車打ちがなくても味の良いことには変わりない。相手の角筋と将来の飛車を遮断し、攻めては△6四玉から△5五玉と上がって来た時の入玉を阻止する桂になっている。

本譜はこの後、後手も先手の龍を消し入玉模様に粘ったが、それでも先手玉は遠く、最後は次の一手に出てくるようなきれいな即詰みで終局となった。
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