将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2014年5月5日出題)

第447問(2014年5月4日 永瀬六段-澤田五段戦)
(問447-1)
先手永瀬六段、後手澤田五段で戦型は相矢倉戦。どちらも▲4六銀▲3七桂型(△6四銀△7三桂型)に構え、似たような形になった。そして先手の手待ちに後手が仕掛け、それを見て先手も反撃し全面的な戦いに移行。その後、後手が香得する為、異筋の銀を放つとその銀を取りに行き、下の局面のように進んだ(駒割りは銀と桂香の二枚替え)。
今▲5四歩と筋の歩を突いたところ。ここで後手澤田五段の指した次の三手は?三手一組の軽快な手で、やや負担になりそうな角をさばこうとした。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問447-2)
澤田五段が、△8六桂と、部分的には手筋の歩頭の桂を放ち、▲同歩△同歩と進んでいるのが下の局面。ここで、先手永瀬六段の指した一手は?ただ、その手が最善だったのかどうかは短い感想戦では分からなかった。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問447-1解答)「玉のコビンを狙う角」
△5五同歩と素直に取っては、▲5四歩が大きな利かしになり、後手勝てない。そこで△6五歩と突き捨て、▲同歩に△4五歩と角の逃げ場所を開けたのが好手順だった。これなら▲5四歩と取り込んでも、△4四角が王手になりしかも受けづらい。
そこで先手も、△4五歩をとがめるべく、▲8五銀と刺し違え、▲7七角と活用。白熱の終盤戦へとなだれ込んでいった。

(問447-2解答)「上部へ出るか、厚くするか」
実戦の△8六桂は急所で、問題図は薄いようでも受けるのは結構難しい。ひと目は▲7七玉と上部へ出る手と図の▲7六銀と厚くする手が見える。実戦は▲7六銀と打ったのだが、感想戦では、▲7七玉も若干触れられ、これも有力だがはっきりとはしなかった。

本譜は、▲7六銀に△7一香と打たれ、以下▲6四桂△7五香▲同銀△6五金と出られ、この直後の▲7六銀が疑問で先手玉は寄せ切られてしまった(以下△7六同金▲同金に△8七金と上部を押さえられ、▲7九玉に△3五角)。
観戦中は、先手が余せそうにも見えたが、後手が猛追、逆転し、澤田五段が一回戦を突破した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ