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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年6月23日出題)

第454問(2014年6月22日 広瀬八段-森下九段戦)
(問454-1)
先手広瀬八段、後手森下九段で戦型は相矢倉。後手の森下九段が序盤から動き、△6二飛から△6五歩と一歩を交換して模様の取り方の難しい将棋になった。その後、双方共に戦端を開いた数手後が下図。今△9五歩と端を突いて▲同歩なら△8五桂から△9八歩と攻め込もうとしているところ。ここで指された先手広瀬八段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問454-2)
後手の攻めが炸裂。王手角取りをかけさせ、両飛車取りを掛け返すという華々しい展開で優勢を築いた森下九段が、一転△4七歩成から△5八とと入った。それに対し今、▲3三歩と手筋の歩を放ったところ。ここで後手森下九段の指した次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問454-1解答)「未然に当たりをかわす」
▲9五同歩は自然だが、△8五桂▲8六角△9八歩▲同香△9七歩▲同桂△同桂成▲同角△9五香と気持ちよく攻められてしまう。適当な受けもないように見え、攻め合うしかないと思われそうな所だったが、広瀬八段はここでふわっと▲8六角。当たりを未然に避け、▲8五の歩を取ってくれれば▲8七歩としっかりする。また、実戦のように△9六歩なら▲9八歩と辛抱して▲3五銀からの攻めに期待するという訳だ。しかし、端を取り込んだ後、△6五歩からの緩まぬ後手の猛攻が続いた。


(問454-2解答)「優勢な時は自然な応手」
「玉の側の金を王手で取られてはいけない」と言うのは初心者に対して良く言うことだが、ここでも先手玉が詰んだり必死がかかるなら別だが、それ以外の場合ではまず手抜きはあり得ない。また、▲3三歩に対し、金が逃げるのは大きな利かされになるし、△同金も2二に空間が空く。ということで、△同桂はほぼ絶対の一手。将来▲4四歩や▲3四歩、あるいは▲2一飛などの手段は残るがそれは仕方ないところ。

本譜は、これ以上厳しい攻めもないので、▲9一馬と香を取って、将来の上部脱出に期待したが、△6九飛から着実に寄せ切り、森下九段会心の一局となった。
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