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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年7月21日出題)

第458問(2014年7月20日 木村八段-佐藤天彦七段戦)
(問458-1)
先手木村八段、後手佐藤七段で戦型は横歩取り△3三角戦法。比較的早い段階で手将棋模様になり、構想力の問われる将棋になった。
そして下図、▲2三角成と角を切り、△同飛に▲3四歩と桂取りに歩を突き出したところ。この桂は助からないが、取られても角と銀桂の二枚替え。ただその取られ方が問題。ここで指された後手佐藤七段の次の三手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問458-2)
終盤、△4六香と打たれた時は、非常に厳しく後手が寄せ切ったかと思われたが、▲3八金と逆にかわす意表の金寄りで凌ぐと、△4九飛には▲6六歩と逃げ道を開けた。そして今、その▲4六歩に△7六銀と上部を押さえたところ。ここで指された先手木村八段の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問458-1解答)「敵陣を乱す取られ方」
ここでの次の三手は、△4五桂▲同歩に△6四角。桂はどうやっても取られてしまう。しかも何もしないとすぐに取ってくるとは限らない。
そこで△4五桂と歩先に跳ね出したのが実戦。▲同歩とさせることで、飛車のコビンを開けさせ、角筋で攻めるという意味だ。このような手筋は良く出てくるので覚えておきたい。


(問458-2解答)「終盤の受け-読みの世界」
受け方にはもちろん手筋もあり覚えていることが多ければそれだけ役に立つ。しかし、終盤ではそれ以上に正確な読みが必要になる。
ここでは先手玉にまだ詰みはないので、▲3二とで後手玉が詰めろになるなら受ける必要すらない(このままの▲3二とは詰めろのようだが、後手番で局面が動くと詰めろが解除される可能性もある)。そしてそれらの変化をすべて読み切るのは結構大変だ。
実戦の▲7五飛は後手からの様々な攻め筋を読み切った受けの強手。一歩間違えば先手玉は寄ってしまうが、感想戦でもこれでどうやら凌いでいたらしい。

本譜は、△2九飛成▲3九歩に△3八龍と龍を切って攻め立てたが、冷静に受け止められ、先手玉を寄せ切ることは出来なかった。
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