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NHK杯に見る受けの手筋

(2015年2月23日出題)

第488問(2015年2月22日 飯塚七段-深浦九段戦)
(問488-1)
先手飯塚七段、後手深浦九段で戦型は相矢倉戦。ガップリ四つ、▲4六銀▲3七桂型から先手が仕掛ける最も良く見る定跡をたどった。そして途中、深浦九段趣向の受けから難解な終盤戦へ突入。先手は、玉頭だけでは攻めがつながらないと見て、5〜7筋をからめて柔軟に戦線を拡大。
下図は▲5四歩と手筋の歩を垂らしたところ。ここで後手深浦九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問488-2)
後手は先手の歩切れを突き、△6五香と反撃。しかし先手も▲5一歩成と待望の角を取り、▲4一角を狙っている。
ここで指された後手深浦九段の次の一手は何か?後手玉はまだ詰むわけではないので、つい△6七香成からの攻めを考えてしまいそうだが、深浦九段はここで受けの一手を指した。その一手とは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問488-1解答)「筋にない”場合の手”」
ここで深浦九段の指した手は、その垂れ歩を払う△5四同金。「金は斜めに誘え」という格言があるように、金という駒は斜めに動くと守りが極端に弱くなる。なので、△同金と歩を払う手は(特に時間の短い将棋では)つい考えから外してしまうが、この△同金を掘り下げて歩を払ったのが実戦。

本譜の後手陣は見るからにバラバラだが、現実に先手は香損している為、攻めをつなげるのも大変だった。それでも、▲5二歩から角を切り、▲4六桂と後手陣に襲いかかり、ギリギリの攻防が続いた。

(問488-2解答)「玉の早逃げ八手の得」
「玉の早逃げ」には明らかに得で、アマ初段でもひと目の手もあれば、この問題のように、早逃げが得になっているのかどうかひと目では分かりづらい場合もある。
(△2三玉での)▲4一角は確かに厳しい手ではあるが、まだ詰むわけではない。なので、△6七香成から寄せに出る手を考えてしまいそうだが、やはり▲4一角を打たれると厳しいと言うことで、深浦九段は一手自陣に手を入れた。

本譜はこれに▲3四飛と走ったが、この飛車が二段目から動くことで、△6七香成はさらに厳しい手になり、最後は先手玉を即詰みに討ち取り、後手深浦九段の勝利となった。
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