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NHK杯に見る受けの手筋

(2015年6月1日出題)

第501問(2015年5月31日 横山六段-菅井六段戦)
(問501-1)
先手横山六段、後手菅井六段で戦型は相居飛車。後手の注文で序盤から類型のない手将棋となった。中盤、タダで取らせる△4五歩を▲同桂と強気に応じて、この跳ねた桂がどうなるかが焦点となり進んで行った。そして途中、王手飛車のかかる華々しい展開から、やや後手が良くなったかと思われたが、先手も離されないよう追尾、下図は難解な終盤戦が展開している。今、△5二飛と回った所で、もちろん▲5六の馬を取られてはならない。と言って、▲4五馬では△同龍▲同歩のあと後手の飛車が直通で先手玉はもちそうもない。ここで指された先手凌ぎの手順は?後手が自然に応じたとして7手まで。先手横山六段の指した手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問501-2)
最終盤、部分的に△5七歩は受けのない非常に厳しい手ではあるが、▲5二飛は王手しながらこれを受ける為の一着でもある。ここで後手の応手は?△4二金とは引けず(▲7六に馬がいる)、持ち駒に金があれば金を打って受けられるがその金もない。後手菅井六段の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問501-1解答)「先手で飛車先を止める - 飛車頭の連打」
ここで実戦の進行は、▲5三歩△同飛▲5四歩△同飛▲5五歩△同銀▲6五馬。飛車頭を直接叩かなくても取ってくれれば得だが、別の手を指される可能性がある。そこで▲5三歩から直接叩いたのが本譜。最後△5五同銀に▲6五馬とこちらにかわすのも筋で、これで後手の飛車先が重くなり、また▲7六銀と桂を外す手も見て、局面は難しくなっていった。

本譜は、後手の飛車切りの勝負手も入り先手玉が寄るかどうかという局面に。そして最終盤、第2問へと続いた。

(問501-2解答)「持ち駒を温存して玉をかわす」
△4二銀と打ってしまうのは堅いが攻め駒不足になる恐れがある。ここは馬筋からも外れる△3三玉がひと目であり筋とも言える。実戦もこのように一つ上がり、▲6六馬の王手はされても△5五銀打がまた返し技で、馬取りと△5八歩成が残り、少しずつ後手の残しそうな局面になっていった。

本譜は▲5八の銀を見捨てて▲3五歩から▲4七桂と巧みに後手玉の網を絞っていったが、駒が僅かに足りず、手を戻した瞬間に必死をかけられ後手の菅井六段の勝利となった。
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