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NHK杯に見る受けの手筋

(2018年12月3日出題)

第677問(2018年12月2日 山崎NHK杯選手権者-丸山九段戦)
(問677-1)
先手山崎NHK杯選手権者、後手丸山九段で、戦型は相居飛車。初手▲7八金から先手は▲4八銀〜▲3六歩のスタートだった為、あまり見たことのない手将棋模様の相居飛車戦となった。その後先手は横歩を取りさらに先攻、技が決まりそうな局面に進んだ。しかし有力な手が多く、それを逃すと必ずしも成功とは言えない局面になり、徐々に後手が盛り返してきた。下図は先手の攻めを受け止めた後で逆に後手有利となっている。ここで先手はどうしたら良いか?△3九と〜△4七桂の筋を受けつつ陣形を整備したいが、どのように手を入れたら良いか難しい。ここで指された先手山崎NHK杯の次の一手は?実戦の進行を三手まで。
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問677-2)
紆余曲折はありながらも後手の勝ちまでもう一歩。下図は今先手から▲9五角の王手をされたところ。実戦の手順が必然という訳ではないが、ここはこのように受けるところ、という局面だ。ここで指された後手の次の一手は?こちらも実戦の進行を三手まで。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問677-1解答)「鍛えの入った手」
▲5六角は筋の良い人ならまずこう打ちたいところ。△1九とに次の▲5八銀が山崎NHK杯の指した手で、いわゆる「鍛えの入った手」だ。確かに、△4七桂は(▲5六角で)とりあえずは受けたとはいえ、一段玉に二段龍の形は相当に寒い。角をいじめられて動かされるとすぐに詰み形にもなる。そこで▲5八銀と入れるのが固い入れ方という訳だ。

この後△5四香に▲7四角を切り、▲8五飛とぶつければ難解な終盤になるはずだった。ところがそのぶつけを逃すと△5五桂と回りを防がれながら急所を攻められて後手優勢の局面へと進んで行った。そして最終盤の局面が第2問である。

(問677-2解答)「大駒は近づけて受けよ」
ここでも「大駒は近づけて受けよ」の手筋で受けるのが普通。持ち駒が銀だけなので本来なら使わずに受けたいところだが、△6二金は▲5二銀の一手とん死で大逆転。そこで、単に△6二銀と打っておく手ならそれでも大丈夫そうだが、やはり終盤は常に先手で受けるのが基本。一歩で先手が取れるなら△8四歩と大駒を近づけさせて角に当てて銀を打つのが手筋と言える。

本譜は▲6六角と逃げながら急所の香は取れるが、△同龍とは取ってくれず△7八龍とこちらの金を取られる。そして少し難しくはなったもののそのまま押し切り、後手丸山九段の勝利となった。
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