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NHK杯に見る受けの手筋

(2019年2月4日出題)

第685問(2019年2月3日 三枚堂六段-森内九段戦)
(問685-1)
先手三枚堂六段、後手森内九段で戦型は相居飛車。先手は角換わりを目指す出だしだったが、後手が角道を止めた為、力戦調の居飛車戦となった。そして先手は雁木風に後手は矢倉に組み、角交換して先手が馬を作る形で戦いに入った。下図は、先手の馬は消したものの△6三金が離れ駒になっており先手からの猛攻が始まったところ。今、▲3四歩と桂頭に歩を打たれ何をどう受けるのか難しい局面。ここで指された後手森内九段の指した一手は何か?形勢を大きく損ねない為の手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問685-2)
延々先手の攻め、後手の受けが続く将棋になっている。その攻めも、少しずつ先手が良さそうだったが、決め手を与えないまま最終盤に突入。下図は角で金を取り、▲1五金と飛車取りに打ったところ。飛車を逃げると▲2五金からの攻めはあるが、これがどうなっているか?また逃げられないのであればどこをどう受けるべきか?ここで指された後手森内九段の指した次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問685-1解答)「味良い銀の活用」
いつの場合でも、桂は逃げられるなら逃げたいが、ここではかえってキズを大きくしてしまう。そこで指されたのが△2四銀。これは、▲3三歩成に△同銀を用意すると同時に、▲1四歩にも未然に逃げており、さらに飛車筋も止めているという受けとしては味良い一着。ただ、これでも二枚の金銀が玉から大きく離れているので後手が苦しそうなのは事実で、ここからも先手の猛攻が続いていく。

本譜は、その先手の攻めを後手もギリギリで凌ぎ、決め手を与えない終盤戦が繰り広げられた。そして最終盤である第2問に続いている。

(問685-2解答)「守るべき箇所を見極める」
飛車取りなので、まず逃げる手から考えてしまうが、▲2五金から▲3四金と王手で出られると簡単に後手玉は寄ってしまう。そうなると次は▲2四金と飛車を取られた後のことを考えることになり、当然(△2四同玉の後)▲2五飛と走られる手を受けなければならない。と言うわけで正解は(実戦は)△3三桂。こういったことを秒読みであれば即座に判断しなければならず、その正確性が棋力の差でもある。

本譜は、それでも飛車が取れれば少し先手が良さそうにも見えるが、後手も△6三の金を取られている間に、△3七歩成から△2八銀と先手の飛車を押さえ込み、難解な最終盤戦となった。そして最後は、攻防手を放ちながら先手の攻めを凌ぎきり後手の勝ち。驚異的な受けを続けた本局は、逆転勝ちで後手森内九段の勝利となった。
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