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NHK杯に見る受けの手筋

(2020年9月7日出題)

第765問(2020年9月6日 羽生九段-佐々木大地五段戦)
(問765-1)
先手羽生九段、後手佐々木五段で戦型は相居飛車。先手が矢倉志向で駒組みを進めたのに対し、後手は角道を止めずに駒組みを進め△5二玉と中住まいに玉を構えた。そして、先手が銀を▲4六へ繰り出し▲3五歩と仕掛け、これに7筋5筋2筋で歩がぶつかり全面的な戦いに。その後、後手の攻めをギリギリで凌ぐとやや先手の指しやすい局面へと進む。下図は飛車頭を叩いた△3五歩に▲5六飛と回ったところ。▲6二角成の一手詰を見せる手や駒を渡すと▲3二銀などもあり後手は忙しい。ここで指された後手の次の一手は?実戦の進行を三手まで。

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問765-2)
上図から先手がさらに有利を拡大し優勢に進めた。そしてその最終盤。下図は今△2八飛と打ち込んだところで、次に△7八飛成の一手詰を見せている。ただ持ち駒がないので、このとん死筋にさえ気を付ければ先手優勢は動かない。後手玉への攻めを見たここでの先手の受け方とは?勝つ為の手としては一つではないが、最も効率的なここで指された先手の次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問765-1解答)「先手を取って駒をかわす」
ここでの実戦は△5五歩▲同飛△5四金直。終盤では出来るなら先手を取って受けたい。そして同時に切られそうな駒を事前に逃げておくのも有効な手だ。という訳で、△5五歩と飛車取りに歩を打ち▲同飛にさらに飛車に当てて△5四金直と▲7一角から逃げながら飛車に当てたのが実戦の進行。

ただ先手も▲5八飛とこちらも逃げながら角に当てるという先手の取り方があり数手前からの読み筋。これで先手を取り、▲6二角成を実現させ優勢を拡大、勝ちまでもう少しの局面が第2問である。

(問765-2解答)「飛車筋を変える中合いの歩」
後手玉への攻めとしては▲2四歩〜▲4一角が最も自然な攻め筋だ。そしてその時に△2八の飛車がいなければさらに寄せやすいと考える。という訳で、ここでは▲7八の地点を単に受けても優勢は変わらないが、▲4八歩や▲3八歩など歩の中合いをするのが手筋となる。△同飛成とさせれば(受けた後に)▲2四歩が厳しい攻めとなる。

本譜は飛車をそのままに△8六歩と金頭を叩いたがこれが詰めろではないので、▲2四歩から詰めろで迫った。そして最後は後手玉に必死をかけ先手羽生九段の勝利となった。
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