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NHK杯に見る受けの手筋

(2020年11月9日出題)

第774問(2020年11月8日 松尾八段-深浦NHK杯選手権者戦)
(問774-1)
先手松尾八段、後手深浦NHK杯選手権者で戦型は角換わり腰掛け銀。流行の下段飛車の形から後手が手待ちをすると先手は銀矢倉に組み替えた。その後先手が4筋3筋を攻め、後手は凌ぎながら反撃する自陣角を打つ。下図は△4四角とこの位置に二度目の角を据えたところ。一度目は角を合わせて消したが今度は合わせる場所もない。しかもこのまま6筋と8筋に殺到されるとつぶされそうだ。ここで指された先手の次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問774-2)
後手の攻めを一旦は凌ぐと今度は先手が▲2五飛と走って反撃を見せた。金取りなので何か受けるしかないが、△2四歩は▲4五飛と回られた時また受ける手を考えなければならない。ここで指された後手の次の一手は何?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問774-1解答)「遊び金を守りにつける」
ここでの次の一手は▲5七金。いきなり△6五桂の両取りの場所だけにハッとさせられるが、何もしなくても△7三の桂は銀との交換になると思えば、遊んでいる金を守りにつける自然な一着とも言える。

本譜は△7五歩とさらに攻めの幅を広げる為7筋の歩を突いたが、▲6七金寄と先手もさらに金を引きつけ守りを固めた。そして5五で銀交換が行われた直後に▲2五飛と走り第2問へと続いている。

(問774-2解答)「銀を投入してしっかり受ける」
△2四歩と打つのは普通だが▲4五飛と回られるとまた受けに悩む。そこで浮かぶのは△3四銀とここに銀を動かすか銀を打つ手。持ち駒を使うかどうかはどのような場面でも常にその後の攻めを考えなければならない。使ってしまって攻めが切れてしまうなら薄くとも温存したまま受ける必要があるし、使ってしまっても攻めにそれほど支障がないならしっかり受けたい。

本譜は▲2四歩の瞬間に後手は△8五桂と攻めに回った。そして最後は▲2五の飛車を取って、一気に先手玉を即詰みに討ち取り後手深浦NHK杯選手権者の勝利となった。
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