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NHK杯に見る受けの手筋

(2021年2月8日出題)

第786問(2021年2月7日 深浦NHK杯選手権者-山崎八段戦)
(問786-1)
先手深浦NHK杯選手権者、後手山崎八段で戦型は相矢倉戦。ただ後手が5筋を突かず、4手角で角を使ったのが珍しい戦法で、あまり見ることのないどこから仕掛けるか難しい中盤戦になった。そのじりじりした中盤戦の後、先手の仕掛けに後手が反撃して一気に全面的な戦いに。この戦いを抜け出したのは後手。下図は、△7九とで角を取り、今△4八飛成と成り込んだところ。王手なので何か受けるしかないが、ここではどのように受けるのが良いか?ここで指された先手の次の一手は何?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問786-2)
一旦有利になり、先手の攻めを余そうとした後手だったが、先手も切れないようにしぶとく粘り形勢は混沌。下図は△1四香と龍を追った手に構わず▲3四銀と強烈なタダの銀を放ったところ。読んでいないと慌てそうだがここで後手は冷静に受けの一着を指した。ここで指された後手の次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問786-1解答)「自然な受け-歩の合駒」
▲5八歩と受けたのが実戦でもっとも自然な一着。終盤では先手を取りたいので、金を持っていれば▲5八金打と一枚入れるのも考えられるが、▲6八銀と引いても先手にならずやや不安定。歩を使う場合、その筋で攻めに使えないならまずこのように安い歩から考えるのが基本となる。

本譜は△5五銀と香得し後手有利。しかしここから先手も▲3七角△4五龍に▲3三歩成〜▲1二歩成から龍を作って後手に楽をさせない。そして手が進むうちに形勢不明の局面まで追い詰め一手でも間違えると逆転になりそうな戦いが第2問である。

(問786-2解答)「後の使い方を見据えた自陣角」
ここで△3二角と受けたのが指されてみないと気がつきにくい好手だった。▲2三銀成と金を取りたいが△同角が龍取りのまま▲6七の金にも当たる。実戦は▲3三銀成と桂の方を取ったが、△同金で後に△2三角の活用を見ることが出来味が良い。

本譜は、直前の▲3四銀が強烈な勝負手だったが△3二角と受けてこの勝負手を不発に終わらせ後手が再び有利に。ただ実際はこの後も白熱した終盤戦が繰り広げられ、先手も猛追した。それでも最後は先手の攻めの間隙を縫って先手玉を強襲、一気に寄せ切り後手山崎八段の勝利となった。

なお、投了局面から、「今日の実戦の詰み」を作成したのでそちらもどうぞ。

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