さ行

(さ)
最遠打 (さいえんだ) 限定打の一つで、詰将棋を詰ますために、飛車角を、もっとも遠い位置から打つこと。もちろん、その位置から打たなければ詰まない場所でなければならない。(→限定打/参考:遠打)
最長手順 (さいちょうてじゅん) 詰将棋において、玉方の逃げる方法で、もっとも詰み手順の長い場所に逃げること。(→玉方)
作意 (さくい) 詰将棋の正解手順で、詰将棋を作った人が考えていた手順。(参考:偽作意)
作品 (さくひん) 詰将棋のこと。ただし、あまり価値のないものは、作品とは言わない。
作風 (さくふう) 詰将棋作家の詰将棋の傾向。(→詰将棋作家)
(し)
質駒 (しちごま) (一般)盤上にあって、味方の利きに入っている駒のことで、いつでも取れる状態にあるもの。
実戦型 (じっせんがた) 実戦に現れそうな形で作成された詰将棋を言う。通常は、△1一香△2一桂が配置されて、玉が▲2二とか▲3二の周辺にいるもの。
実戦初形詰将棋 (じっせんしょけいつめしょうぎ) 実戦の最初に並べた形から始める詰将棋のこと。もちろん、詰みに関係しない駒があってはならない。
姉妹作 (しまいさく) 同じような配置や構成など似通っている内容を持つ二つの作品。
じゃま駒 (じゃまごま)
味方の駒で、詰みをじゃましている駒を言う。このじゃま駒を捨てることにより詰み形になるわけだが、じゃま駒のように見せない工夫をすることで難しい詰将棋になる。
図では、2三の龍がいなければ、▲2三桂で詰みだ。したがって、▲2二龍と捨てる。△同角に▲2三桂までの3手詰。
なお、指し将棋で、詰みに関係ない時でも、味方の別の駒のじゃまをしている時は、じゃま駒と言う時もある。
収束 (しゅうそく) (=収束部)詰将棋の終わりの部分。特に詰む何手前からという明確な定義はないが、十数手程度の詰将棋なら5〜7手くらいを指すことが多い。
祝賀詰 (しゅくがづめ) 何かのお祝いに作った詰将棋で、曲詰めとなっているもの。(→曲詰め)
趣向 (しゅこう) 詰将棋で芸術的な趣を表現する方法。
単なる詰将棋ではなく、その中に繰り返し手順が含まれていたりする、中、長編作品を趣向詰め、趣向作と言う。
焦点 (しょうてん)
(一般)相手の駒の利きが交差している点。この地点に駒を打つことで、駒の利きを限定できることがある。
図では、▲2二金と飛車と角の利きに打つのが焦点への打ち込み。飛車で取ると、▲1三銀までの詰み。角で取ると、▲2三銀打までの詰みとなる。
初形 (しょけい) (一般)始める最初の形。指し将棋であれば、最初に並べた形を言い、詰将棋では詰め始める最初の形を言う。
序奏 (じょそう) 中、長編詰将棋における、最初の数手〜数十手。本来表現したい趣向に入る前の手順。(→中編詰将棋/長編詰将棋)
初手 (しょて) (一般)指し将棋でも詰将棋でも、指し初めの最初の一手を言う。
(す)
すかし詰め (すかしづめ) 飛び道具(飛車角香)で、玉に接しない王手による詰め上がりを言う。
(すじ) (→→手筋:てすじ)
図式集 (ずしきしゅう) 詰将棋作品を集めて、一冊の本にしたものをこう呼ぶ。
捨て合い (すてあい)
本来なら無駄合いと見られるような場所でも、合駒をすることで、一方の利きをさえぎられるような場合を言う。中合いと呼ばれることもある。
図は馬で王手をされ、逃げられない。ところが△3四歩と合駒することで、龍で取れば、1二に、馬で取れば3二に逃げられる。このような合駒を捨て合いと言う。
捨て駒 (すてごま) (一般)駒をただで相手に取らせることにより、何らかの利益を得ること。
詰将棋では、頻繁に使われる手筋であり、その捨てる駒が、価値の高い駒なら高い駒ほど、また見かけ上、捨てづらい駒ほどすぐれた詰将棋となる。
図面 (ずめん) (一般)将棋の配置を分かりやすく、図で現したもの。
(せ)
精算 (せいさん) (一般)盤上にある何枚かの駒を交換して、お互いの持ち駒としてしまうこと。
正算式 (せいさんしき) 詰将棋の作り方の一つで、最初に駒を配置し詰め手順を作っていくこと。(←→逆算式)
清涼詰め (せいりょうづめ) 詰め上がりの攻め駒が、二枚だけで詰んでいるものを言う。
脊尾詰 (せおづめ) 詰将棋解答機能の将棋ソフト。詰将棋最長手数のミクロコスモスを解いたことで一躍有名になった。現在は、一般将棋ソフトの解答機能もかなり上がった。(→ミクロコスモス/参考:柿木将棋5)
雪隠詰め (せっちんづめ) (一般)1一、または9一の場所で詰むことを言う。雪隠とはトイレのこと。
絶連 (ぜつれん) この手以外にない、絶対の一手が連続して指される手順を言う。詰将棋の手順としては評価が低い。
攻方 (せめかた) 詰将棋の手前側を言い、玉を詰める方を攻方と呼ぶ。(←→玉方)
全駒使用 (ぜんごましよう) 全部の駒を使った詰将棋を言う。
先打突き歩詰め (せんだつきふつめ) 打ち歩詰めを回避するため、先に歩を打っておいて、最後に突き歩詰めのようにして詰め上げる趣向詰めのこと。
千日手 (せんにちて) (一般)同じ手順が繰り返され、終わらないこと。
(1)指し将棋の場合、同一局面4回で指し直しとなる。但し、連続王手の場合は、王手をかけている側が手を変えなければならない。
(2)詰将棋の場合は、攻方の失敗となる。(→攻方)
(そ)
双玉問題 (そうぎょくもんだい) 自分の玉も盤面に配置されている詰将棋。王手をする途中で、逆王手の筋が常についてまわる。大道詰将棋などで良く出題される。(→逆王手/大道詰将棋)
俗手 (ぞくしゅ) (一般)重い攻めや、単純な攻めの手をいう。一般的にはあまり良い手ではないが、「寄せは俗手で」という格言があるように、寄せでは好手になることもある。詰将棋でも、あまり使われない手筋だが、逆に分かりづらいように俗手を混ぜることもある。
そっぽの形 (そっぽのかたち) 玉と離れた方向に駒がいくことにより詰む手筋。本来は駒の効率が悪くなり指しづらいが、そっぽに行かなければ詰まないように作られている。

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