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詰将棋の解答、番外編

棋譜を実際に書くことは少なくても、雑誌にある詰将棋の解答を書くことは多いのではないでしょうか。
詰将棋の答えを書く場合も、基本的には、基礎編で説明した棋譜の書き方をそのまま使っていただければ結構です。それと、詰将棋のルールは、「詰将棋のルール」を読んでもらえれば、基本的なことは分かると思います。

ここでは、解答を書くに当たって、以前質問を受けたような「ささいな」ことを説明しているに過ぎません。初心者の人は、ここにあることより、基礎編の棋譜の書き方をよく理解しておいて下さい。

質問1:最後の方で玉の逃げ方がいくつもある場合、どれを書いたら良いのですか?
答え:
どれを書いてもらっても正解です。
しかし、できるだけ玉方に有利な方、攻方が難しい方を書くのが慣例となっています。
左の図の場合、正解は、▲3三銀△4一玉▲4二金までですが▲3三銀△3一玉▲3二金でも、▲3三銀△2一玉▲2二金でも正解になります。
でも玉側から見れば、できるだけ広い方へ逃げたいのです。と言うことで、解答がもしあるなら△4一玉と書かれているでしょう。
質問2:合駒がなんでも同じ場合は、何を書いたら良いのですか?
答え:
一番安い駒を書くのが普通です。
左の図は、今、龍で王手をされたところです。合駒が余ってしまうので詰将棋としては、不完全ですが、私の「実戦の詰み」では良くあります。
この場合、何を合駒しても、次に▲3一銀と打てば、△1二玉▲3二龍で詰みです。
このような場合には、通常、△3二歩とします。つまりどうせ取られるなら安い駒を渡した方が良いという考えです。
質問3:詰将棋の本を見ていたら、▲5三金合という解答を見たことがあるのですが、この「合」とは棋譜の中には出てきませんが、どういう意味ですか?
答え:
実戦の棋譜に「合」(あい)と言う言葉を表記することはありません。
これは、詰将棋だけに使われる言葉で、合駒の意味をより強めているだけです。
詰将棋の答えを書く場合、たとえば、左の局面で、▲1四香△1三歩▲2二金でも正解ですし、▲1四香△1三歩合▲2二金でも正解です。合駒が何でも同じ場合には、単に「合」とか「合駒」と書く場合もあります。
たとえば、▲1四香△1三合駒▲2二金でも正解になります。
質問4:飛び道具(飛角香)をどこから打っても同じ場合は、どこから打つのですか?

答え:
一番近いところから打つのが普通です。
たとえば、上の図面の場合、1四より下であればどこから香を打っても同じですが、答えは▲1四香と書きます。
左の局面の場合は4一から6一まで、どこから飛車を打っても同じです。その場合は、普通は▲4一飛△3一歩合▲1二銀と書きます。▲6一飛△3一香▲1二銀でも誤答にはならないでしょうが、なんとなく不自然です。
むろん、▲8一飛では、△7一歩で詰みませんのでこれは間違いです。
質問5:図のような場合、最後の詰みは▲2三歩成でも▲2三金でも、どちらで詰ましても良いのですか?

答え:
どちらで詰ませても構いません。
ただ、一般的に解答は、(もし実戦であれば)少しでも自分に有利なように、つまり歩が成った方が得ですから、▲2三歩成が書いてある場合の方が多いでしょう。

でも最後の一手で詰む場合は、どちらを書くか気にしなくてよいでしょう。
質問6:詰将棋の本を見ていたら、「生」と言う文字が出てきたのですが、これは何ですか? 答え:
実戦の棋譜では使われませんが、詰将棋では、不成と同じ意味で、生(なま)を使うことがあります。

詰将棋の解答では(実戦の棋譜でもそうですが)、成れる場合は、必ず、「成」か「不成」又は「生」を付けなければなりません。
上の問題で、単に▲2三歩とだけしか書かないと、成らないものとして(王手にならないけど(^^;)不正解にされるかもしれません。

詰んでいれば、どちらでも正解、と言うことは、詰将棋でも当然起きますが、表記の仕方においてもその考え方は、実戦と同じように、常に、玉方は最善を目指し逃げて、攻方は少しでも有利になるように駒を進めると言うことです。

もっとも雑誌などの懸賞の場合、持ち駒の打や不成など表記そのものが間違ってなければ、同手数の玉の逃げ方や合駒などの表記で誤答にすることはないでしょう。
要は間違いなく、どの逃げ方もきちんと詰ませたかと言うことです。
表記の仕方で間違い易いのは、持ち駒を打つ場合に「打」を入れずに、盤上の駒が動いたと思われることと、「成」も「不成」も記入せず、しかもそのことが大事な要素になっている時くらいでしょう。詰将棋の解答を送る時は、このあたりに気を付けて下さい。

また、他に疑問点がありましたら、質問掲示板に書いておいていただければ分かる限りお答えしたいと思います。

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