ホームへ戻る/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋
(2008年2月11日出題)

第136問(2008年2月10日:渡辺竜王-増田五段戦)
(問136-1)
後手増田五段の一手損角換わりに対し、棒銀で先に歩を突っかけた先手の渡辺竜王。そのままの状態で第二の駒組みに入ったが、玉入場後再度先手が仕掛けた。これに対し、後手も端から逆襲。
今、▲9七同玉に△9二飛と寄ったところ。このまま△9五飛▲8八玉△9九飛成と成り込まれてはいけないので、何か受ける一手だが、このような局面での当然の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問136-2)
端を食い破られ、△9八香成と成ってきたところだが、ここでの後手の狙い(攻め筋)は何か。それが分からないと受ける手も分からない。後手からは二通りの手があり、そのどちらも効率よく受けたいところ。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問136-1解答)「ここでも”玉の早逃げ”」
駒の交換のため、玉が一旦9七、あるいは1七へ出ることは良くあるが、多くの場合、一手かけても戻っておく手が有効な場合が多い。この局面は、次に△9五飛があるので、なおのこと▲8八玉の一手と言える。
この後、攻める側からすると9七へ呼び戻したいので△9七歩が絶好の手筋となる。実戦も、△9七歩▲8六銀△9八歩成と危険地帯へ玉を呼び寄せ、後手の好調な攻めが続いた。



(問136-2解答)「駒の当たりを未然に避ける」
後手からの二つの攻め筋は、△9五飛と△8八歩だ。△9五飛はすぐに見える為、この飛車出を防ぐためだけに一手かけると、△8八歩と打たれ、▲7七桂には△8九歩成で一手早い。
△7七桂がその二つの筋を未然に防いだ一手で、効率の良い受けとなった。但し、それでも△8八歩からの攻めに事実上受けはなく、後は右辺へどれだけ逃げ出せるかということになる。

実戦は、▲2四歩から▲3五歩〜▲3四歩が回り、先手の玉が逃げ切る形になったが、感想戦で話されたところでは、ここでは一旦△2五歩と手を戻すのが良く、それならまだ後手が残している形勢だったようだ。本譜は狙い澄ました角打ちが決まり、後手玉を一気に詰ますことに成功した。


先週の問題へ/来週の問題へ

ホームへ戻る/受けの手筋表紙へ