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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年10月13日出題)

第168問(2008年10月12日:森内九段-中座七段戦)
(問168-1)
先手森内九段の三間飛車に、居飛車舟囲いから押さえ込みに行った後手の中座七段。
先手の攻めの突破口があるかどうかギリギリの状態が続き、今5六の飛車を▲8六飛と回ったところ。△8四歩には▲9三桂成△同桂に▲8四飛と走り、歩のなくなる後手は飛車成りが受からなくなる。
そこで、この局面で中座七段はどのように受けたか。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問168-2)
先手の攻めがずっと続き、後手も辛抱良く受け続けたが、と金と金に張り付かれ、次の▲3三とから▲3四馬を見せられ、もはや受けがないかと思われた局面。ここで後手の中座七段は解説の森下九段も驚いた受けの勝負手を放った。三手一組のその手順とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問168-1解答)「飛車を成らせない唯一の受け」
ここでの次の一手は△8二歩。本来飛車成りを防ぐためだけに自分の飛車の横に歩を打つのでは辛いのだが、これ以外では飛車成りを受ける適当な手がない為やむを得ず打ったという訳だ。
しかし、ここを辛抱して△8八角から香得を果たせばしだいに有利になっていくという希望もあり、しばらくは受けに専念することになった。



(問168-2解答)「攻めを遅らせる受けのワザ」
ここで中座七段は△3一香と犠打を放ち、▲同金に△2二金と受けた。
△3一香自体は手を遅らせる手筋として良くある手ではあるが、それも攻め合いで一手違いのような場面で効果を発揮する。この局面は先手玉が固すぎて、一手くらい遅らせてもとても足りない。しかし、続く△2二金がさらなる渋い受けの一手で、▲3二金を消し、手としてはかなり遅らせることに成功した。

もっとも、これだけ手を遅らせても、先手玉への寄り付きがない為、▲5三とと駒を補充され、とにかく切れなけば良い先手は、正確な距離感で確実に後手玉を追い詰め、最後は即詰みに討ち取った。


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