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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年5月23日出題)

第300問(2011年5月22日 阿久津七段-窪田六段戦)
(問300-1)
先手阿久津七段の居飛車に後手の窪田六段は藤井システム。これに▲3五歩から仕掛けて戦いが始まった。図は、先手がうまく攻め込み、▲3四歩が非常に厳しい一手となっている。ここで指された後手窪田六段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問300-2)
上の局面から後手のうまい切り返しでまだまだ大変と思われたが、じっと▲1四歩が「大人の対応」。△7六金を待って次の一手が手堅い受けの好手。ここで指された先手阿久津七段の次の一手は?

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問300-1解答)「自陣にいる敵駒に桂馬のふんどし」
本来、桂は8四とかに据えて△7六桂を見たい所ではあるが、そんなことを言っていられないほど▲3四歩は厳しい。そこで、実戦は△3一桂と龍銀取りに桂を打った。感想戦では、銀を見捨てて△1三角も考えられるような話も出たが、実戦のように△3一桂と駒損をしない指し方の方が粘りはあるだろう。▲3三歩成にも△同龍と取って終盤の戦いに勝負をかけた。


(問300-2解答)「玉頭近くの駒に当てる受け」
△7六金は、すぐに手があるわけではないが、たとえば桂を持ち駒にして△3九龍と入れば、△8六桂▲同歩△8七銀の詰めろとなる。このような玉頭の金をそのままに戦いに入るのは危険だ。しかし、たとえばよく駒落ちなどで見る光景ではあるが、▲7七歩などと追うのでは、角がまったく使えないばかりか壁になりいない方が良いと言うことになってしまう。そこで、こういう場合は、同じ金を追うのでも▲7七銀と駒の交換を狙うのが好手になる。感想戦では△7五金だったか?とも話されたが、逃げるのでは、将来▲6六銀とさらにぶつけていくような手もあり、「元気が出ない」。
実戦は△同金▲同角となり、角を使える状態で玉頭の脅威が消えた。

本譜は再度の△7六銀から△3九龍〜△8七銀成と強襲をかけたが、攻めきることができず切れ模様になり、後手の投了となった。
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