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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年6月4日出題)

第351問(2012年6月3日 中村(修)九段-阿部(健)五段戦)
(問351-1)
先手中村九段、後手阿部五段で戦型は角交換の相振り飛車。先手が8筋に飛車を動かした瞬間△2六歩から後手がポイント上げ、さらに△5四角と打ち、2筋に照準を合わせ一気に有利な態勢へと進んで行った。下図は次に単純な△2六歩からの攻撃があり先手苦戦を思わせる局面。そこで▲6四歩と今後手陣に味付けを行ったところ。ここで後手阿部五段の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問351-2)
▲6四歩と大きな垂れ歩は残っているものの、先手には駒がなく後手必勝。今、△4八とと、と金が寄ってきた所だが、何とか駒を入手し、6三への打ち込みや▲5五桂などを狙いたいところ。ここで中村九段の指した三手一組の手順は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問351-1解答)「玉のコビンはしっかり守る」
▲6四歩には手抜きで△2六歩と攻める手もありここは棋風の分かれるところ。しかし、玉のコビンは常に急所になることが多く、それ故弱点にもなりやすい。実戦も△6四同歩と取ったが、特に級位者や駒落ちの場合などは△同歩と取っておく方が正しいことが多く、これを基本として覚えておきたい。

(問351-2解答)「駒を入手する金のかわし」
どこにも駒が落ちていないように思われる問題図だが、▲6七金上と一旦かわし、△3九龍と歩を取ってくれるのを待って▲3七歩と桂取りに打つのがうまい手順だった。これでもし△5九龍▲7八玉△5八となら▲3六歩と桂を取り、▲5五桂と打って少しは敵玉に迫れる、という予定。しかし・・・、

本譜は、ここで阿部五段がさらなる妙手順を披露。▲3七歩に△5八とと捨てた手がそれで、▲同金に△4八桂成で結局桂を取ることも出来なかった。この対局は、中盤での機敏な△2六歩の合わせから△5四角〜△3五銀、そして終盤△5八とからの手順と後手完勝の一局となった。
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