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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年7月29日出題)

第408問(2013年7月28日 村田六段-豊島七段戦)
(問408-1)
先手村田六段、後手豊島七段で戦型は横歩取り△3三角戦法。後手は飛車を△8四に引いて、△5二玉と上がる最新形。対して先手が工夫し、未知の戦いに入ると難しい中盤戦の駆け引きが続いた。後手の攻めにうまく対応し、先手が良くなりそうな局面もあったが、飛車交換から後手が香得を果たすと後手ペースの終盤戦となった。下図はその直後。今▲7四桂と急所に打ったが、△7三銀と上がられこれ以上の厳しい攻めはない。そこでどうするか。ここで指された先手村田六段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問408-2)
後手の攻めに対し、粘り強く受けなかなか土俵を割らない状態が続いた。それでも差は縮まらず下図は後手優勢。今、3六にいた金を▲4五金と王手金取りを防ぎながら上がったところ。ここで指された後手豊島七段の次の一手は?受けずに攻めても勝てそうな所だが、受ける手に一手以上の価値があればしっかり受けておきたい局面だ。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問408-1解答)「相手の攻めに対応した玉の早逃げ」
この局面、後手からのどのような攻めが厳しいのか分からなければならない。たとえば、△8一香や△8四飛から8七へ成る手が厳しいのであればそちらを受ける必要がある。しかし実際は△1八飛と横から金取りに打たれる手が厳しい。
そこでこれを受けたのが、実戦の▲6七玉。早逃げで安全になったとは言えないが、1九の馬からも遠ざかり、チャンスを待つ一手だった。
これに本譜は、渋い△7一歩!これは馬が動いた時の▲7二飛を消し、△8一香を狙うもの。実戦も△8一香が入り、終局間近と思われたが、諦めずに追走し試合は長くなった。

(問408-2解答)「玉を安定させる早逃げ」
△5二玉がいかにも味良い早逃げ。角を持たれているので、斜めのラインは気になるが、4五の金から離れれば玉はかなり安全になる。
以下▲5四金に△5三歩▲6一銀△4二玉▲6三金と進み、後手玉は相当寄らない形に。第1問以降、先手にずいぶん粘られたが、終盤の入り口での駒得は大きく、結局後手玉は捕まらない状態になった。

本譜はこの後、一手スキと二手スキを織り交ぜ先手玉を受けなしに追い込み、後手が勝利した。
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