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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年8月5日出題)

第409問(2013年8月4日 上田女流三段-西川四段戦)
(問409-1)
先手上田女流三段、後手西川四段で戦型は後手の角道を開けたままの振り飛車。これに居飛車が角道を止め、穴熊を指向すると後手も穴熊にし、先手の居飛車穴熊対後手の三間飛車穴熊となった。下図は、後手の攻めに先手が反発して角を切り、今、飛車を走ったところ。角銀交換の駒損とは言え、飛車は先手の方が軽く、うまくさばいたかに見えたが、ここで後手の西川四段がうまい返し技を用意していた。後手の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問409-2)
後手の攻め、先手の受けが続き、その攻めを凌ぎきれるかどうかというところ。今、△6六歩と急所に叩かれこれは痛打だ。しかし厳しいながらもどのようにしたら最善に粘れるか。ここでの先手の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問409-1解答)「先手を取る攻防の角」
ここで西川四段の放った一着が攻防の△1二角。飛車成りを防ぎながら6七の金取りになっている。もちろん直後に▲2三銀と打たれるのは見えるがこれには△2二飛の返し技があるので大丈夫。
実戦は▲4五桂とこれも良さそうな手筋で凌いだが、△同歩▲5四飛△3五角と進み、後手の猛攻が炸裂。先手が凌げるかどうかという勝負になっていった。

(問409-2解答)「拠点は残さない」
△6六歩のような駒を叩かれる手は終盤良く出てくるが、拠点を残さないように取るのが基本。もちろん取って駒が離れるともっとひどいこともあるので、その時々で読みは必要だ。▲6六同金と取ると、実戦もそうなったが、△7四桂から再度△6六歩と打たれることになるが、△7四桂は「打たせた」と言える訳で、持ち駒のままもっと厳しいところ(▲7七金と寄って△8五桂など)に打たれるよりはまだマシと言うこと。

本譜は飛角全部取り、後手からの金銀の攻めを振りほどけるかどうかという勝負になったが、6、7筋に歩の利く形にしておいたのが大きく、結局最後までこの四枚の攻めを振りほどくことは出来ず、先手玉は寄ってしまった。
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