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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年8月26日出題)

第412問(2013年8月25日 中村太地六段-高橋九段戦)
(問412-1)
先手中村太地六段、後手高橋九段で戦型は横歩取り△3三角戦法。後手が中央へ飛車を回り、7筋を突き捨て右桂を跳ねて戦闘が始まった。その桂を捨てる強襲が成立していたかどうかは難しく、局後の感想戦でもはっきりとはしなかったが、下図△3九飛まで進むと後手が良くなっているようだ。次の△3八飛成の王手金取りを防がなければならず、しかも受け方そのものも悩ましい。先手中村六段の指した次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問412-2)
終盤、後手の攻めはと金の活用と分かりやすくなっている。そこで先手は急がされており、今▲2五桂を打ち、次に▲3三歩成を見たところ。△4七とや△5七桂成など攻め合って勝てれば良いが、歩成りも相当で、攻め合いは危険だ。ここで高橋九段の指した一手は何か?受けるとするとこれしかない。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問412-1解答)「玉の早逃げで辛抱」
玉の早逃げは良くそれが決め手となり勝ちになる場合は多いが、ここでの▲7七玉は仕方なしの早逃げと言えるかもしれない。そして、△2九飛成に▲1六金、さらに△5九龍に▲6六玉と中段玉で攻めを凌ぎ、▲3四歩からの攻めに期待した。この受けで終盤は猛追、後手玉に詰めろ逃れの詰めろもかかることになった。

(問412-2解答)「受けの基本-桂には桂」
二週間前、8月11日の問題に、同じ「桂には桂」という局面を取り上げ、その時は、それが疑問手だったことを書いた。今回、▲2五桂に対し△2一桂と歩成りを受けるのは、「これで余してます」という決め手の桂だ。
後手からの攻めは分かりやすく、△4七とからと金を活用すれば良いだけ。その為、それより早いと思われる攻めをしっかり受けておけば良いことになる。

ただそれでも本譜は、▲4五銀から▲3三桂打と最速に後手玉に迫って、少しでも誤ると逆転の余地のあり得る局面となった。しかし、△7二歩と詰めろを消し、攻めは△6七銀と速度を正確に計った寄せで最後は先手玉に必死をかけることに成功した。
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