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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年9月2日出題)

第413問(2013年9月1日 飯島七段-丸山九段戦)
(問413-1)
先手飯島七段、後手丸山九段で戦型は一手損角換わり。後手の腰掛け銀に先手は▲5七から▲4六銀と進め、▲3五歩から控えの歩で銀も交換になる定跡で中盤が進められた。
そして下図、いきなり△8六銀の奇手だが、手筋の一着としてまれにある攻め筋。この銀に対し、どのように応対したら良いかは難しく、他の駒の状況による。実戦で指された進行と、丸山九段が心配していた変化は?最も有力な応手二通りを答えてもらう。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問413-2)
同じような形で同じような所を攻めている。しかし、先手の守りの銀がいない分だけやや後手有利からもしれない。それでも今▲1三歩成と成ったところ。▲2三とや▲2四歩からの攻めも相当で、△8九歩成の攻め合いは危ない。そこで丸山九段はどのように受けたか。ここで指された後手丸山九段の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問413-1解答)「精算して妥協するか銀得を目指すか」
実戦は、▲8六歩と銀を取り、△同歩▲同銀△同飛▲8七歩とこの地点を精算して妥協する道を選んだ。ただこの順は、7七の守りの銀がいなくなり(手持ちになる)、8五の歩を切られてしまうという欠点がある。その銀を有効な攻めに使えるなら損ではないが、本譜はあまり得とはならなかった。
一方、丸山九段が感想戦で話した順は、▲8八銀と引き、△8七銀成に▲同玉で耐える順。後手からの攻めに耐えられるかどうかは微妙だが、銀得も大きく、この順も有力。はっきりまずいのは、銀得しても、と金を作られ銀を取り返された上飛車まで成られてしまうこと。盤面全体の状況を良く見て応手を決めたい。

(問413-2解答)「一旦桂でと金を払っておく」
ここでの手筋は△1三同桂。桂でと金を払っておくと、仮に▲1四歩から▲1三歩成と来られた場合でも、桂は先に損するが手としては一手遅らすことが出来る。その分△8九歩成からの攻めに手をかけることが出来、特にこのような攻め合いでは大きな手となる。

本譜は、▲1四歩と打った方がまだ難しかったようだが、それだと手負けと判断し、▲8八玉△9六歩▲9八歩と受けに回ったが、△8六歩から攻め立てられ、結局受け切ることは出来ず、最後王手で迫ったが後手玉を寄せることも出来なかった。
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