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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年11月10日出題)

第474問(2014年11月9日 深浦九段-森下九段戦)
(問474-1)
先手深浦九段、後手森下九段で戦型は相掛かり戦。先手が端の位を取り銀を出して行ったのに対し、後手は中央の位を取り、△4四角から△3三桂と銀の進出を阻止した。その後、じっくりした駒組みの中盤が続いたが、十分な態勢を整えたのは後手の森下九段。今、総攻撃をかけ、△6五歩▲同歩に△5六歩と突き出したところ。すでに相当辛い感じのする先手陣だが、ここで深浦九段の指した一手は?後手の攻めをどのように受け止めたらより紛れるようになるか。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問474-2)
一時はそのまま寄ってしまうかとも思えた先手陣だが、強靱な粘りで決め手を与えないまま終盤戦になっている。今、△6五桂と角取りに当てて桂が跳んできたところ。角をどこへ逃げても△8七飛成が王手金取りになってしまう為角は逃げられない。そこで先手深浦九段の指した一手は?終盤戦特有の攻防手を放ちたいところ。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問474-1解答)「角のラインから外れる」
△4四角のラインに玉が入ったままでは、△6六歩から△6五桂と跳ばれて攻められる筋が受けきれない。そこで、深浦九段は▲8九玉と一つ引いて相手の攻めを待った。
角の筋を使った攻めと言うのは常に厳しく、棋力が上がるほどうまく使えるようにもなる。また、受けづらいので、早めにそのラインから外れておくのが基本的な受けだ。

本譜はそれでも△6六歩から△7五歩〜△9五歩と攻めて後手の攻めがツボに入った。これに先手が決め手を与えないように受け続ける終盤戦が続いた。

(問474-2解答)「終盤特有の”攻防の角”」
後手の攻めが筋に入り、どこかで決め手があったかとも思われるが、はっきりしないまま問題2図まで進んだ。そしてここで深浦九段の放った一着が▲7六角。△8七飛成を防ぐと同時に△3二の金に狙いを付け、さらに4九にも利いているという一石三鳥にもなっている攻防の角だ。

本譜は、△7七桂成▲同金△4四飛▲5六桂と進むともうどちらが勝っているのか分からない混戦。まだ駒割りは後手の方が良かったのだが、雰囲気は完全に逆転ムード。実際も最後は、後手玉に必死がかかり先手玉は詰まないという状態になり、辛抱して追走した深浦九段が逆転勝ちを収めた。
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