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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年11月17日出題)

第475問(2014年11月16日 松尾七段-丸山九段戦)
(問475-1)
先手松尾七段、後手丸山九段で出だしは先手中飛車、後手三間飛車。しかし先手が玉を左に囲った為、戦型的には居飛車対振り飛車の戦いのようになった。そしてその中盤、今△3六歩▲同歩△同飛と飛車先を切りに来たところ。通常、横の歩を取られてはいけないので、▲3七銀と上がるしかないように思える所で、実戦もそのように進めたが、形が悪く、後手の攻めを誘発することになった。感想戦で話されたここでの一着とは?三手まで進めた局面を想定して。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問475-2)
機敏な仕掛けから▲1一にいた馬を捕獲するという構想で後手の丸山九段が優勢になった。今、歩を補充しつつ▲2五飛と走ったところ。ここでは何を受けるべきか?形勢が良い時には、まず大きなキズになりそうなところから補修したい。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問475-1解答)「常識外の三手の読み」
部分的な形から言えば▲4七銀と上がる方が自然で、これが正しい筋だ。しかし、同じく常識的にはこのような局面で横の歩を払われると言うのは形勢を悪化させることが多い。なので、多少形は悪くとも▲3七銀と上がるのが普通で歩は取らせないもの。
しかし、ここでは結局戻って筋良く▲4七銀と上がるのが正しかったようだ。と言うのも、△2六飛には▲2八歩と打っておくと、この飛車が意外に狭く不自由だということ。先手としてはこの局面まで読みを進めるべきだった。

本譜は▲3七銀と上がってしまった為、△4七角を再三打たれることになった。しかも、成り込んだ▲1一馬を捕獲される順を見せられ、先手苦戦の戦況が続いた。

(問475-2解答)「美濃囲いのキズを消す」
ここでは△6四歩と突くのが第一感で、アマでも有段者ならまずここに目が行くところ。2筋は守らなくても△5一に飛車もいてすぐに厳しい攻めはない。先手からの攻めで(後手陣にとって)一番怖いのは▲8六桂と打って▲7四桂を狙われる筋。実戦、△6四歩としておくことで、▲8六桂には△6三金と守ることが出来るようになり怖いところがなくなった。

本譜は、▲5六香から▲4六銀〜▲5五銀と何とか先手陣に食い付こうとしたが、△5八歩成から△5四歩で銀を追い返されると、中盤で馬を取られた差は埋まらず(正確には角と桂香の二枚換えだが)、美濃囲いは鉄壁のまま先手玉が寄ってしまった。
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