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NHK杯に見る受けの手筋

(2019年7月29日出題)

第708問(2019年7月28日 近藤誠也六段-阿久津八段戦)
(問708-1)
先手近藤六段、後手阿久津八段で戦型は角換わり。早い段階で定跡から外れ、構想の難しい手将棋となった。そして、後手が▲2四の歩を金で取りに行くという手に対し、先手は銀二枚を中央に繰り出し戦いを起こした。下図は銀を交換した後、▲4五歩と突き出したところ。4四の地点は後手の急所でここを攻められると後手陣はもろい。そこでどうするか?手を遅らせると同時に反撃もしたいのでここはこの一手とも言える。後手の指した次の一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問708-2)
この3手前、▲4五歩△同歩の利かしが入ったのは大きかった。▲5九飛に△4八角成と成られ、部分的に受けのない形だが、盤面全体を見れば、攻防の一着がある。もちろん、タダで飛車を取られてはいけないし、タダで金を取られてもいけない。ここで指された先手の次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問708-1解答)「桂損覚悟の反撃の筋」
ここは△4五桂と桂で取る一手。△3四の銀は守りの要でもあるので銀を交換したり、また△4四の地点を開けて▲4四歩と打たれてもいけない。そこで、▲4六歩ですぐに桂が死ぬのは見えるがここは桂で取る一手。先手からの攻めを遅らせると同時に△5七桂成から先手陣に反撃する筋もあるからだ。実際これで形勢は難解。難しい終盤戦へ突入した。

本譜は、△5七桂成〜△3九角〜△4九銀と良くある筋で後手が反撃。難しい戦いのまま第2問に続いている。

(問708-2解答)「飛車にヒモを付けながら敵陣をにらむ攻防の角」
ここで▲7七角と攻防の角を放ったのが実戦。飛車にヒモを付けると同時に、局面によっては▲4九飛から▲1一角成を見たり、本譜もそうなったが、▲3七桂とこの桂の活用も見ている。

本譜は終盤に入っても常に後手の手が一手遅れているように感じる。△9三桂と跳ねたものの△8五桂と跳ねる前に角を切られ、殺到されると最後は即詰み、先手近藤六段の勝利となった。
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