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NHK杯に見る受けの手筋

(2021年5月17日出題)

第800問(2021年5月16日 服部四段-久保九段戦)
(問800-1)
先手服部四段、後手久保九段で戦型は居飛車穴熊対ノーマル四間飛車。ただ、後手は対穴熊を想定したいわゆる振り飛車ミレニアム。戦いは中盤、先手が細かく動き角交換に成功。後手のやや無理気味の攻めを誘って有利に立った。下図は△6五桂を取ったものの、今△4七歩成とと金を作られたところ。もちろん先手の読み筋でこのまま4筋を破られる訳ではない。ここで先手の指した手は?実戦の進行を5手まで。
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問800-2)
上図から後手は駒損しながらも先手陣に食い付いて行く。下図は、△7六銀成と銀を捨て、今△6七歩成と成り込んだところ。▲同金はもちろん△4七飛成で先手の駒得も吹っ飛び飛車に成られてしまう。ここで指された先手の次の一手は?終盤では、駒の損得ももちろん考えなければいけないが、同時にと金の位置も大きな形勢判断材料になる。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問800-1解答)「飛車頭を叩く-と金を外す技」
実戦この二手前、▲6四歩に△同銀なら▲3六角の王手と金取りでと金を外せた。それを後手は△7二銀と引いて回避したが、▲4二歩△同飛▲4三歩△同飛と飛車頭を叩き、▲6五角とここに角を打って飛車とと金取りをかける手があった。この手まで読めていないと、数手前の▲6五歩と桂得する手を指せない訳で、盤面を広く見る必要がある。

本譜はそれでもギリギリの攻め、ギリギリの受けが続いていく。ただ、評価値は常に先手有利になっており、見た目上は差が詰まったように見える所でも、少しずつ開いていき、先手優勢80%くらいになったのが第2問である。

(問800-2解答)「飛車頭を叩く-と金はそっぽへ」
金の逃げる場所はないので、こうしたところでは、▲4五歩と飛車頭を叩く一手だ。ただ、△5七と〜△4七とと角金二枚を取られるので、部分的には損な取り引きと言える(その前に先手が駒得しているので、トータルではまだ先手駒得)。そしてこうした局面を考える時、大きな形勢判断材料がと金の位置だ。最初に△4七にと金を作られ、△5七〜△6七と玉の方へ駒を取られながら寄って来られるのでは先手が大いにまずい。ここでは離れていくと言うことが大きく、二枚換えでも悪くないと判断している。

本譜は、それでも見た目にそれほど差があるようには思えないが、後手陣を的確に攻めると明快な一手勝ちというAIの見立て。そのAIの評価値通り、先手は的確に攻めそして正確に受けて、最後は後手玉をきれいな即詰みに討ち取り、先手服部四段の勝利となった。
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