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NHK杯に見る受けの手筋

(2022年2月14日出題)

第838問(2022年2月13日 松尾八段-千田七段戦)
(問838-1)
先手松尾八段、後手千田七段で戦型は角換わり。先手が最新形の攻撃形から腰掛け銀に構えると、後手は早繰り銀で対抗した。そして、早い段階で▲4五歩△3五歩と駒がぶつかる。その後、8筋で銀交換が行われ、下図は今△4八歩と金頭を叩かれたところ。読みにないと焦りそうな一着だが、ここではどう対応すれば良いか?ここで指された先手の次の一手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問838-2)
上図から先手がリードを広げ優勢に進んだ。下図は、飛車を切られ△5六に馬は作られているものの▲4三に銀を打ち込み後手の玉もむき出しになっている。ここでは開き王手などいろいろな手が目に付くが、実戦はここで一転冷静な受け。優勢を確実にする受けの一着とは?先手の指した次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問838-1解答)「自然な応手-取る手から考える」
歩を突かれた時とか何かの取りになった時は、基本的には取る手から考える。ここでも自然な一着は▲同飛と飛車で取る手。金で取るのは、△3九銀の割り打ちがあり逃げると駒の利きが悪くなる。但しすぐに取るとまずい場合は、逃げる手や先に▲4三銀や▲7七歩など利かす手もひねった受けとして考えないことはない。自然に取って良いならまずは普通に取る手から考えたい。

本譜は、△4七歩▲同飛に△2九角と攻め込んできたが、これも自然な▲4八飛で先手良し。そのまま先手優勢の終盤戦が第2問である。

(問838-2解答)「馬の脅威を未然に消す」
後手玉が飛車の利き筋にあるので何か派手な手を考えてしまいそうだが、ここで▲5七歩と打ったのが手堅い一着。後手からの攻めとしては、△8九歩成の他に、とにかく△4七歩と打たれると紛れる。そこで▲5七歩と先着して、逃げてくれるなら△4七歩が甘くなり(角取りではなくなるので)ずいぶん得。実戦のように△4七歩なら角も手持ちになり、後手玉へさらに厳しく迫れる。

本譜は、△4八歩成に▲4一飛の王手。そして△4二飛▲2一飛成△4九とからは常に後手玉へ詰めろで迫り最後は即詰み。先手松尾八段の勝利となった。
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