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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年7月10日出題)

第56問(2006年7月9日:泉七段-先崎八段戦)
(問56-1)
序盤の駆け引きから向かい飛車に振った後手の先崎八段に対し、△8五の歩の伸びすぎをとがめようと動いた先手の泉七段。
後手の角ののぞき(△7三角)に対し強手で反撃した先手がやや指しやすい局面に。今、△3四飛と飛車を活用するため、歩を払って出てきたところ。このまま△3七飛成とすなおに成らせてはいけないので、何か受ける一手だが、島八段解説の味良い受けの一手は?実戦はそう受けずに局面が接近した。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問56-2)
先手が▲8六歩と玉頭から動いた手に対し、▲8二歩が分かっていても、△同歩と取り、強く反撃する順を選んだ。ここでは一手だけではなく、三手まで読みを進めて手を決めて欲しい。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問56-1解答)「受けつつ大駒の活用も図れる一手」
ここで実戦は、▲3八歩と受けたが、これは単に桂を守っただけの手で一手に一手の価値だけがある手だ。これに対し、解説の島八段が指摘していた手が▲4五歩。これは9一馬で桂取りを防ぐと同時に場合によっては6八の角を4六、3五へ飛び出す手も見ており、一手で一手以上の価値のある手となっている。
感想戦では、「いずれ▲3八歩は打たなくてはならないから」というような事を言っていたが、その後、駒を動かして検討した感じからしてもやはり▲4五歩の方が良かったらしい。


(問56-2解答)「追われながらでも玉を安全圏に」
△7三桂▲8一歩成△6二玉と逃げる。△7三桂自体は取りを逃げる手なので難しくはないが、▲8一歩成が見えているだけに逃げづらいのも事実。しかし、△7三桂▲8一歩成に△6二玉とと金は作られるが少しでも安全な方面に逃げられるのが大きい。
実戦は以下▲8二とに△8七香が厳しく▲9八玉△8九香成〜△4七桂と厳しく迫り、先手も反撃したが、僅かに届かなかった。

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