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NHK杯に見る受けの手筋

(2019年6月10日出題)

第701問(2019年6月9日 真田八段-野月八段戦)
(問701-1)
先手真田八段、後手野月八段で戦型は相矢倉。ただ、後手の序盤の駒組みを見た先手が、▲6六銀と出て急戦を目指した。この急戦に後手は直ちに反撃、下図はその直後。△8七歩▲同金に△8六角と踏み込んだところで、部分的にも良くある攻めの形。ここではどのように受けるのが良いか。先手真田八段の指した次の一手は?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問701-2)
後手がペースを握り中盤から終盤へ入った。その後先手も早逃げで手を稼ぎ、何とか勝負形にしようと攻め立てたが、構わず先手玉に襲いかかり後手優勢。下図は後手の勝ちまでもう少しの局面。△5二の金を見捨てて詰めろをかけ続けた為、今▲5二歩成と金を取られ王手がかかっている。ここはどのように応対しても後手は余しているが、先手玉の詰みの有る無しが分かるかどうかでも応対の仕方は少し変わる。ここはどうするのが最も確実な勝ち方か。後手野月八段の指した次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問701-1解答)「玉の顔面受け」
▲8六金と角を取るのは、△同飛でこの後の受けに窮する。また何もしないと△5九角成という強襲がありこれはもっと悪い。そこで、▲7八玉と上がったのが実戦でもありこのような局面での受け方の一つ。ただ後手にもう一歩でもあると受からなくなる顔面受けなので、本来ならこうなる前にこのような局面にしないことが大切だ。

本譜は、一旦△6四角▲8六歩で急場は凌いだもののここからの先手の動きも難しかった(もう一歩あると△8五歩▲同歩△8六歩)。実戦は▲5六銀右から銀を前戦に参加させようとしたが、それより早く後手の攻めが炸裂、後手優勢の終盤が続き、第2問に進んでいる。

(問701-2解答)「何枚渡しても詰まない形」
先手玉が「△8二飛がいなくても詰み」と読めれば△同飛と飛車で取るのが最も手堅い勝ち方。飛車が縦横に良く利き、いわゆる何枚渡しても詰まない形になる。飛車が△8二に居れば、先手玉の詰みは容易なので、△5二同玉、あるいは△3一玉と逃げておくのもありそうだが、そうするといろいろな王手のかかる形になり、駒をたくさん渡すと詰むこともあるのでその注意は必要になる。

本譜この局面、先手は▲5三歩と打つよりなく、その瞬間に読み筋通り△8八角▲同角に△6八金からきっちり詰ませ、後手野月八段の勝利となった。
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